米国務長官、対ロシア制裁は当面維持すると欧州に約束-関係者
ルビオ米国務長官は欧州の同盟国に対して、少なくともウクライナでの紛争を終結させる合意が成立するまでは、米国は対ロシア制裁を継続すると通知した。一方、トランプ大統領はウクライナ問題の解決策を話し合うため、2月中に恐らくロシアのプーチン大統領と会談するだろうと語った。
非公表の協議内容を話しているとして匿名を要請した関係者によると、ルビオ氏は18日、欧州諸国の外相らと電話会談し、対ロ制裁を早期に解除することはないと約束した。この電話会談は、ルビオ氏はじめ米国の当局者がロシアのラブロフ外相ら高官と、2022年のウクライナ全面侵攻開始以降で初めて対面で会談した後に行われた。
ウクライナと欧州の同盟国はこの米ロ会談から排除されたため、米国が長年の政策を一変させ、ウクライナと欧州の安全保障を犠牲にプーチン氏と取引を結ぶことへの懸念が生じている。
米ロ会談後にフロリダ州で語ったトランプ氏は、こうした懸念をほとんど和らげはしなかった。「ロシアは何かをしたがっている」と述べ、今回の会談をへて合意成立が可能だとの「確信がはるかに大きくなった」と付け加えた。
対照的に、協議から排除されたことでウクライナ高官から不満の声が漏れていることにトランプ氏は「がっかりだ」と話し、ロシアの侵攻はゼレンスキー大統領らウクライナの指導部に非があると主張。「ウクライナが仕掛けたのがいけなかった。取引をすることもできた」と述べた。戦争終結の合意を結んだ後で、ウクライナで新たな選挙を実施することへの支持も示唆した。
米国の元情報当局者で、現在は新アメリカ安全保障センター(CNAS)で米欧安全保障政策の責任者を務めるアンドレア・ケンダルテイラー氏は、「トランプ氏がこの終結をこれほどひどく望み、ロシアとの経済的な機会に目を向けているように見える」と指摘。そうであれば、「拙速でひどく悪い戦争終結に導く可能性が実際にある」と懸念を示した。
対ロ制裁の多くは欧州の同盟国などと共同して実施している。米国が制裁解除に動くとなれば、ロシアの戦争資金源を断とうとする欧州の取り組みに深刻な打撃が及ぶ。このため、ルビオ氏の制裁に関する約束は欧州側に一定の安心感を抱かせる可能性がある。
国務省の報道官は、ルビオ氏の欧州に対する約束についてコメントを控えた。国務省が発表したルビオ氏と欧州同盟国との電話会談の概要には制裁に関する言及はなく、各国は「ウクライナにおける紛争の永続的な終結を成し遂げるために取り組み、緊密な連絡を維持することで合意した」と説明していた。
原題:Rubio Says Sanctions Stay for Now as Trump Eyes Putin Summit (1)(抜粋)