エヌビディア、量子コンピューターとAI半導体の接続で新システム発表

Ian King

  • 次世代のスパコンに道を開き、量子ビットの誤差率を低下させる-CEO
  • エヌビディアは量子コンピューティング企業17社の協力も取り付けた
Photographer: Jim Watson/AFP/Getty Images

人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを占める米エヌビディアは、量子コンピューターと自社のAI半導体を接続する新システムを発表した。

  「量子力学」と呼ばれる物理理論を応用する量子コンピューティングは、複雑な問題を高速で解決することを目指す次世代技術であり、医薬品開発や素材科学分野での進展に貢献が期待される。

  量子コンピューティングの実用化には、従来型設備との接続が不可欠だ。エヌビディアは、将来の量子技術のインターフェース(接点)と自社技術を連動させるソフトウエアとハードウエアを開発した。

  ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は28日、新システム「NVQLink」について、次世代スーパーコンピューターに道を開き、量子コンピューティングの基本単位である「量子ビット」の誤差率低下につながると語った。

  フアン氏はワシントンで開かれたエヌビディアのイベントで講演し、NVQLinkが「現在の量子ビットだけでなく、将来の量子ビットのエラーも修正する」と説明した。

  NVQLinkのサポート能力を持つパートナーとして、量子コンピューティング企業17社の協力を取り付けたとフアン氏は述べたが、企業名には言及しなかった。エヌビディアのAI半導体を搭載する新たなスーパーコンピューター7基の開発で米エネルギー省と協力することも明らかにした。

ワシントンで開かれたAIサミットで基調講演を行うジェンスン・フアン氏(10月28日)

原題:Nvidia Unveils System to Link Quantum Computers to Its AI Chips(抜粋)

— 取材協力 Maggie Eastland and Edward Ludlow

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