CKハチソン、パナマ運河2港売却計画進むと関係者-中国不満でも
香港の大手複合企業、長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)が今月発表したパナマ運河2港の売却計画が予定通りに進められている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。米ブラックロック率いるグループを売却先とする今回の取引を巡っては、中国が不満を示しているが、交渉はまだ妨げられていないもようだ。
非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、デューデリジェンス(資産査定)や税務、会計、その他の取引条件の最終調整が現在進められており、計画通り4月2日までの最終合意の署名がなお目標になっているという。
パナマ2港に加え、CKハチソンが持つ他の41港に関する取引も進展していると関係者は述べた。一連の売却が完了すれば、同社は190億ドル(約2兆8600億円)を受け取る。
香港に上場するCKハチソンの株価は26日、一時3.9%上昇した。
香港取引所への届け出によると、CKハチソンとブラックロック率いるコンソーシアムの独占交渉期間は145日間。このため、中国国有企業など他の買収候補が交渉入りする余地はほとんど残されていないと関係者は語った。
ブラックロックの広報担当者はコメントを控えた。CKハチソンはコメント要請に応じなかった。
ゴールドマン・サックス・グループのバンカーが仲介した今回の港湾売却は当初、96歳の李嘉誠氏にとって変動が大きい事業からの有利な撤退として投資家に歓迎された。だが、トランプ米大統領はこの取引について、米国が中国の影響下からパナマ運河を取り戻したと主張。中国が不満を抱き、李氏に圧力がかかっている。
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中国外務省の毛寧報道官は先週の記者会見で、今回の取引に対する当局の調査について質問され、具体的なコメントは避けながらも、中国は経済的威圧やいじめを通じた他国の利益侵害には反対していると述べた。
親中紙の大公報は21日の論評で、国家主権や安全、発展利益の保護に関する香港の法律に違反する恐れがあるとして、CKハチソンに取引から撤退するよう促した。
原題:CK Hutchison Said to Proceed With Port Deal Amid China Ire (1)(抜粋)