久保建英、冴え渡るプレービジョンで全2ゴールの起点に!レアル・ソシエダが怒涛の反撃を見せてエスパニョールとドロー

【欧州・海外サッカー ニュース】久保建英所属のソシエダ、エスパニョールとドロー。

24日のラ・リーガ第2節、レアル・ソシエダは本拠地アノエタでのエスパニョール戦を2-2のドローで終えた。日本代表MF久保建英は先発フル出場で、2ゴールの起点となっている。

前節、敵地メスタージャでのバレンシア戦では、久保のゴールによって1-1に追いつき、勝ち点1を持ち帰ったソシエダ。今季初のアノエタでの試合で、サポーターを前にして勝ち点3をつかみたいところだ。セルヒオ・フランシスコ監督はGKレミーロ、DFアランブル、ジョン・マルティン、スベルディア、セルヒオ・ゴメス、MFスチッチ、トゥリエンテス、パブロ・マリン、FW久保、オヤルサバル、バレネチェアをスタメンとして、4-3-3のシステムを使用している。

前半立ち上がり、ボールを保持して攻め込むソシエダは、9分に久保が決定機を迎える。ゴール前でパスを受けた久保は、そのままペナルティーエリア内右に侵入すると、縦に突破してから右足でシュートを放った。だが、このボールはコースが甘くGKドミトロヴィッチにセーブされている。

エスパニョールがアノエタを沈黙させるゴールを奪ったのは、久保の決定機の直後だった。10分、速攻からペレ・ミジャがゴール前までボールを持ち運び、ロベルト・フェルナンデスとのパス交換からヘディングシュートを突き刺している。ペレ・ミジャは前節アトレティコ・マドリー戦(2-1勝利)の逆転弾に続く、2試合連続ゴールだ。

2試合連続で先制を許したソシエダ。反撃に出たいところだったが、スビメンディがアーセナルに移籍し、ゲームメーカーがいない中盤の機能不全が目立つ(エスパニョールはイングランド2部から加入したドランが出色の出来。鋭いドリブルで、再三にわたって右サイドを切り崩している)。32分には、少し中央に絞ってプレーする久保がペナルティーエリア内でカブレラに倒されたと主張したが、キンテロ・ゴンサレス主審はおそらく久保から当たりにいったと判断して、PKを取らなかった。

そうして43分、アトレティコ撃破がフロックではないこと、ソシエダが構成力不足であることを証明するかのように、エスパニョールが追加点を決めた。ペナルティーエリア内でジョン・マルティンがロベルト・フェルナンデスを引っ張って倒し、キンテロ主審がPKを指示する。キッカーのプアードが蹴ったボールはGKレミーロが一度セーブしたが、アランブルがキック直前にエリア内に入ったために蹴り直しに。再びキッカーを務めたプアードが、今度はシュートを決め切っている。

2点ビハインドで試合を折り返したソシエダは、その後もエスパニョールの絡みつくようなプレスを前に効果的な攻撃を見せられない。だが57分、セルヒオ・フランシスコ監督が動いた。交代カードを2枚切り、スチッチ、トゥリエンテスを下げてオスカールソン、そして期待のゲームメーカー、22歳ゴロチャテギを投入。オスカールソンを1トップ、オヤルサバルをトップ下、久保を右サイド、バレネチェアを左サイド、ゴロチャテギ&パブロマリンをボランチに据える形に布陣を変更すると、これが見事にはまった。とりわけゴロチャテギのプレーにはインテリジェンスを感じさせ、久保とも分かり合えているような連係を見せている。

そして61分、ソシエダが1点を返すことに成功する。起点となったのは、久保だった。

自陣ゴール前からのカウンターで、低い位置でボールを受けた久保は、相手選手2枚を引き連れながら右サイドからピッチ中央に横移動して、左サイド前方にスルーパス。久保のおかげでエスパニョールのMFラインの守備網から解放され、前を向きながらボールを受けられたパブロ・マリンは、進めるところまでドリブルを仕掛けてからこちらもスルーパスを出し、バレネチェアのゴールをお膳立てしている。バレネチェアにボールが届く前に、相手の右SBエル・ヒラリがスリップするという幸運もあったが、いずれにしても久保の冴え渡るプレービジョンがなければ、生まれることのないゴールだった。

1点を返して、アノエタの応援に火をつけたソシエダは、69分に再び久保を起点として同点弾を獲得。右サイドでボールを持った久保は内に切り込んで、ペナルティーエリア手前のオヤルサバルにパス。オヤルサバルは素早い反転からペナルティーエリアにスルーパスを出し、そこに飛び込んできたオスカールソンが右足で対角線上にシュートを放ち、ネットを揺らしている。

勢いに乗るソシエダは観客の後押しを受けてエスパニョールゴールに迫ったが、逆転弾までは奪えず。結局2-2のまま試合終了のホイッスルを聞き、開幕節と同様に勝ち点1を分け合っている。だが後半途中、交代カードを切ってから見せたパフォーマンスと勢いは、久保にとってもソシエダにとっても手応えを感じさせるものだったに違いない。

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