河村勇輝をブルズ同僚や名将らが大絶賛「悪くてもAマイナス評価」「見ていて楽しい」「感銘を受けた」
2時間前
ブルズの一員としてサマーリーグで存在感を放つ河村勇輝[写真]=Getty Images
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Toggle河村勇輝の評価が鰻登りだ。シカゴ・ブルズの一員として『NBA 2K26 SUMMER LEAGUE 2025』に参戦している河村は、7月15日(現地時間14日)に開催されたインディアナ・ペイサーズ戦で15得点、1リバウンド、10アシスト、3スティールのダブルダブルを記録し、チームの勝利に大きく貢献した。
この試合の河村は“ハイライト製造機”だった。ピックアンドロールから針の穴を射抜くサイドハンドパスで味方の得点を演出したかと思えば、ステップバックジャンパーに空中ビハインドザバックパスなど、華麗なプレーを連発。また、速攻で追走する味方へ放ったノールックバックパスは、マタス・ブゼリスの豪快ダンクで締め括られ、ショータイムの起点となった。
ブルズは河村の活躍を讃え「YUKI MAGIC」と題したフルハイライトを投稿したが、NBAの公式YouTubeチャンネルも「河村勇輝がラスベガスでオーケストラをやってのけた」とのタイトルで単独ハイライトをアップロード。本稿執筆段階における再生回数は16万回となっており、これはNBA公式が直近で投稿した40本の動画のうち3番目に多い記録となっている。
■指揮官が好評価
[写真]=Getty Images
河村への賞賛の声も、各所で沸き起こっている。コート上でも日に日に河村とのケミストリーが増すドラフト11位指名のブゼリスは試合後、俊敏に攻守で駆け巡る日本人ポイントガードへの賛辞を惜しまなかった。
「彼はコートの隅々まで攻め込み、コート上であらゆることをこなしている。まさに、体格よりも心で勝負する選手だ。彼は本当にハードなプレーをする。彼と一緒にコートに立てることは大きな意味を持つよ。素晴らしい選手であり、素晴らしい人間だ」
また、チームを指揮するビリー・ドノバンⅢヘッドコーチも、この試合における河村のプレーにポジティブな感想を抱いている。
「勇輝は相手を交わす能力とスピードで、チームに落ち着きをもたらしてくれた。良い瞬間もあったね。ペイントエリアに侵入し、プレーメイクを担い、チームメートに簡単なシュートを打たせるための起爆剤となったのは間違いないよ」
■全米沸かすスターを引き合いに
その評価は、チーム外まで轟いている。『NBA.com』でブルズを担当するサム・スミス記者は、マグジー・ボーグスやスパッド・ウェブ、アール・ボイキンスなど、NBAの歴代小兵ガードたちの名前を挙げて、河村が「サイズを凌駕するポイントガード」であると賞賛。選手としてのレベルについても「決断力、創造性、俊敏性を備え、NBAで通用しうる」とし、懸念されているサイズについても「押しのけられるシーンがあったが、彼はやり返す。勇敢かつタフで、自信に満ちた大胆さを持つ」とコメントしており、フィジカルとハートの強さにも言及している。
[写真]=Getty Images
そして、スミス記者は河村に、WNBAの人気を爆発的に押し上げるケイトリン・クラーク的要素を見出している。両者に共通するのは、観客を惹きつける力。リーグ最高の選手ではなくとも、観客にどの選手よりも見てみたいと思わせ、「バスケットボールというゲームを心から楽しませてくれる選手」と、奮闘する河村を手放しで讃えた。
この試合、コートサイドでは『ESPN』のスポーツキャスターとして、米大学バスケ界屈指の開発型コーチであるトム・クリーン氏が観戦しており、河村は同氏さえも唸らせた。クリーン氏は、アンソニー・エドワーズ、ドウェイン・ウェイド、ビクター・オラディポ、OG・アヌノビー、ウェズリー・マシューズなど、NBAでもトップクラスの実力を誇るプレーヤーたちを指導してきた人物。トランジション重視のバスケットボールを好み、インディアナ大学をゼロから再建した功労者は、172センチのガードのプレーについて、以下のようにコメントしている。
「彼はみんなを良くする。ボールもとても効率的に扱うね。彼のどこが好きなのか分かるかい?小柄なのに無駄なドリブルをせず、相手を抜き去っている。とにかく広い範囲をカバーし、自分のペースでプレーできる。これは口で言うのは容易だが、実行するのは難しい。彼は正しいプレーをしているよ。彼のプレーはA評価、悪くてもAマイナスだよ。なぜなら、彼は本当に数多くの素晴らしい判断を下し、的確な場所にボールを運んでくれるからだ。もし、これがブゼリスの最後の試合だったら、彼はきっと満足しているだろう。彼は間違いなく今日のチームを勢いづけた」
■V3経験者も唸る「本当に感銘を受けた」
[写真]=Getty Images
現地のバスケファンたちに“和製ジェイソン・ウィリアムス”とまで言わしめる河村のプレーだが、クリーン氏の評価は同選手のプレーがただのエンターテイメントだけではないことを強く裏付ける。
ペイサーズ戦において、河村は相手ガードのレイ・J・デニスと激しいバトルを繰り広げた。ペイサーズと2way契約を結び、昨シーズンはGリーグのオールルーキーチームに選出されたデニスは、この試合で20得点、5アシストを記録。しかし、プラスマイナスでは-14を記録しており、これはペイサーズのスターターの中でワーストの数値となった。一方の河村は、この試合におけるゲーム最多タイとなる+14をマークしており、不利なサイズを補える技術があることと、ハードなプレーによる貢献度の高さをスタッツでも示してみせた。
さらに、ブルズの英雄マイケル・ジョーダンとスリーピートを経験し、現在はブルズのTVコメンテーターとして人気を博すステイシー・キング氏も「彼のプレーとゲーム感覚には本当に感銘を受けた!ブルズでの彼の将来は分からないが、見ていて本当に楽しい選手だ!」と饒舌。
新しい環境、初手合わせのチームメイト、フィジカルなプレー。河村は数々の不利な状況を跳ね除けて、センセーショナルな活躍を披露している。こうした活躍と反響は、球団関係者の耳にも必ず届いているはず。
引き続き、コートでの影響力を証明できれば、河村の望む契約も現実味を帯びてくるだろう。
文=Meiji
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