Googleマップ上に浮かぶ謎の「黒い三角形」。その正体が怖すぎた…
陰謀論のほうがマシだった…かも。
2021年、とあるユーザーがGoogleマップを眺めていたところ、太平洋のど真ん中に大きな黒い三角形の穴が空いていることを発見しました。
それを掲示板サイトRedditに投稿したところ、「あれはいったい何!?」とインターネット上で大きな話題になりました。
洋上のブラックホールの正体は...
このマップ上の穴は、島や陸地というよりもまるですべての光を飲み込むブラックホールのような空洞のように見えたため、「あえて黒塗りされた秘密の軍事施設」「UFOの着地地点」「地球の核に通ずる海底洞窟の入り口」などなど、さまざまな陰謀論が唱えられました。
そんな洋上のブラックホール、専門家の調査によってその正体が判明。Dailygalaxyによると、ここはオーストラリアの東約4,000マイル(約6,400km)に位置する、キリバス領の小さな無人サンゴ環礁「ボストーク島」でした。四方を砂浜で囲まれ、船の接岸がむずかしく、人が上陸しにくい無人島として知られています。
島ならば、普通は植物の緑や砂浜の白色が見えるものですが、ボストーク島は本当に穴が空いたように真っ黒にしか見えません。というのも、この島がピソニアという独特の樹木に覆われているから。
通常、熱帯の島には多様な植物が生息していることが多いのですが、このボストーク島はピソニアの木ばっかり。ピソニアは雨が多く湿度の高い地域に多くみられる常緑木です。
あまりにも密集して生えているため、木々の隙間から光が射すこともなく、ほかの植物が根付くこともできないのです。ですから、上空から見たときに島が真っ黒に見えてしまったというわけ。
海鳥の生態系を破壊する、恐ろしいピソニアの木
「なんだ、怖い話じゃなかったのか」とホッとした皆さん。実は、ボストーク島を占拠するピソニアの木は恐ろしい秘密を抱えています。
ピソニアは「鳥捕り木(birdcatcher trees)」という異名があります。というのも、ピソニアの種子は非常に粘着性が高く、それに触れた海鳥の羽にくっついてしまうのです。それを振り払おうともがけばもがくほど多くの種子が羽根に張り付き、その重さから鳥は飛ぶことができなくなり、最後には森の床に落ちてしまいます。
動けなくなった鳥は、疲労や飢えで命を落とすことに。鳥の骨が木の下の地面に山積みになるという恐ろしい光景が生まれるのです。洋上のブラックホール、その土地に踏み入れたら身の毛もよだつ景色を見ることになるかもしれません。
地球最後の「手つかずの無人島」、勇気のある方はいつか訪れてみてはいかがでしょうか。
Source: Dailygalaxy