スウェーデンのフリゲート艦入札で仏勝利、決め手は納期に対する信頼性
スウェーデンのヴィスビュー級コルベット(650トン)後継艦調達にはナバル・グループ、ナバンティア、バブコックが競合していたものの、ポール・ヨンソン国防相は19日「ルレオ級フリゲート艦4隻の調達先にナバル・グループを選択した」と発表し、ナバル・グループは久々に海外からの大型受注を獲得した。
参考:Sweden Chooses Unusual French Design For Its New Frigates 参考:Sweden picks France’s FDI frigates in potential $4.2 billion deal
欧州諸国は防衛装備の調達に記録的な資金を投入する予定で、この恩恵を受けて2025年の受注競争で勝者となった欧州企業にはサーブ、ラインメタル、BAEシステムズの名前が挙がり、逆に記録的な資金の取り込みに失敗したのはカナダ向け潜水艦入札、ポーランド向け潜水艦入札、ノルウェー向けフリゲート艦入札に敗れ、2025年に海外から大型契約を獲得しそこねたナバル・グループだが、ナバンティアやバブコックと競合することになったスウェーデン向けフリゲート艦入札で久々に新規受注を獲得した。
Idag presenterade statsministern, ÖB och jag nästa steg för att stärka Sveriges försvarsförmåga till sjöss. Sverige går vidare med att anskaffa fyra franska luftförsvarsfregatter av Luleåklass. Målet är att leveranser ska kunna inledas från 2030. En stor marin förstärkning. (1/3) pic.twitter.com/eXwueaLho7
— Pål Jonson (@PlJonson) May 19, 2026
スウェーデンはヴィスビュー級コルベット(650トン)の後継艦を模索し、当初はヴィスビュー級ベースの防空用コルベットを4隻調達する構想を検討していたものの、ウクライナ戦争の勃発やNATO加盟によって安全保障要件が劇的に変化してしまい、ヴィスビュー級の後継艦は「バルト海での運用に限定したささやかな設計」ではなく「NATO作戦区域全体で運用できる強力な設計」が求められ、ナバル・グループはFDI、ナバンティアはALFA-4000、バブコックはArrowhead 120を提案し、ポール・ヨンソン国防相が19日「ルレオ級フリゲート艦4隻の調達先にナバル・グループを選択した」と発表。
ヨンソン国防相はFDIを選択した理由について「オフセット契約の内容ではなく納期で選んだ。この納期の信頼性を保証する活発な生産ライン(年2隻のペースで建造可能)、そして実績のある統合防空システムの組み合わせ、既にFDIを導入しているフランスとギリシャとのコスト分担も重要だった」と明かし、1隻あたりの建造費用について「100億スウェーデン・クローナ=約1,700億円を僅かに上回る」と述べたが、最終的な価格はナバル・グループと開始する交渉で確定し、FDIに搭載するサブシステムと搭載兵器によって変動する。
We are very honoured by the choice of the Swedish Ministry of Defence to select the #FDI to provide the Royal Swedish Navy with 4 latest-generation 1st rank frigates.
We are proud and committed to contributing further to the security of Europe.#StrongerTogether pic.twitter.com/2XqY2fUFqk
— Naval Group (@navalgroup) May 19, 2026
ルレオ級フリゲート艦にはアスター30やCAMM-ERに加え、エグゾセの代わりにサーブ製対艦ミサイル=RBS-15、MU90の代わりにサーブ製軽魚雷=Torped-47、Lionfish20の代わりにサーブ製RWS=Trackfire、Sea Fireの代わりにサーブ製レーダー=Sea Giraffe 1X、76mm砲の代わりにBAEシステムズのボフォース57mm砲、RIM-116の代わりにBAEシステムズのボフォース40mm機関砲が採用される予定で、戦闘管理システムはフランス製のオリジナル(SETIS)がそのまま搭載されるらしい。
ちなみに、フランス向けFDIはシルヴァー垂直発射装置のA50バージョンを16セル搭載しているが、ギリシャ向けFDIは16セルではなく32セル、フランスも予定していたFDIの4番艦と5番艦を16セルではなく32セルで建造すると決定しており、ルレオ級フリゲート艦が搭載する垂直発射装置も16セルではなく32セルになる可能性が高い。
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※アイキャッチ画像の出典:Naval Group