「年を取るほど時間の流れが早まる」は間違い…24時間が早く感じる人・遅く感じる人の生活習慣の残酷な相違 家でゴロゴロして「自由な時間」を過ごす人は幸せになりにくい

年を取れば取るほど、時間の流れはどんどん早くなるように感じます。

少なくとも、私はそうです。一年が経つのはあっという間で、季節が春だと思っていたら気づいたときには年末で、「えっ、もうクリスマス⁉」と驚くことがよくあります。

私は、30代でも時間の流れは早く感じましたが、40代、50代になると、もっと早く感じるようになりました。読者のみなさんはどうでしょうか。

時間の流れを早いと感じるでしょうか。それとも遅いと感じるでしょうか。

実を言うと、年齢と時間の流れの感じ方には、少し複雑な関係が見られます。単純に年を取ったからといって、だれでも時間の流れを早いと感じるわけでもないのです。

ドイツにあるルードヴィヒ・マクシミリアン大学のマーク・ウィットマンは、14歳か94歳までの499人を対象にした調査を行ってみたのですが、年齢が高くなるほど、時間の流れを早いと感じるという結果を得ました。けれども、違う結果を示す研究も少なくありません。

英国リバプール・ジョン・ムーア大学のルース・オグデンは、年齢によって3つのグループ、すなわち、若者(25歳以下)、ミドル(26歳から59歳)、年配(60歳以上)にわけ、「今日(あるいは今週)の時間の流れは、普通の日(あるいは先週)に比べて、早く感じましたか?」という質問をしてみました。

すると、年齢が高くなるほど、「遅い」と感じることが明らかになったのです。ウィットマンの研究とは、まったく反対の結果です。いったいこれはどういうことなのでしょう。

実を言うと、時間の流れの感じ方は、年齢で決まるというより、もっと心理的な要因のほうが強く影響している可能性があります。そのひとつが、満足感。

人付き合いや仕事に満足している人は、若者であろうが、年配者であろうが、時間の流れを早いと感じます。

逆に、不満を感じやすい人ほど、遅いと感じます。オグデンの研究でも、不満が多い人ほど時間の流れを遅いと感じていることが明らかにされています。

内藤誼人『大人の時間術』(総合法令出版)

私自身のことで言うと、年齢が高くなるにつれて時間の流れを早いと感じるようになりましたが、ひょっとすると年齢はそんなに関係がなく、ただ私が、自分の今の生活に何の不満も感じていないせいかもしれません。

「毎日、楽しくて仕方がない」「私の人生はとてもハッピー」と思っている人は、おそらく時間の流れを早く感じているでしょう。

逆に、いろいろな点で不満を感じている人は、一日が過ぎるのがものすごく遅いと感じているのではないかと思われます。時間が経つのが遅いと感じるようであれば、心の中に溜まったモヤモヤや不安や悩みを解消するようにしてください。

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