120分の超死闘制したのは川崎F! スーパーゴール打ち合いで延長戦へ…宮城天PK弾で浦和撃破、2年連続ルヴァン杯4強
ルヴァンカップは7日に準々決勝第2戦を行った。川崎フロンターレと浦和レッズの対戦は、川崎Fが延長戦の末に第2戦を3-2で勝利。2-2の末に90分間が終わると、延長前半6分のPKをFW宮城天が決めた。2試合合計4-3で勝利を決め、2シーズン連続のベスト4進出となった。
第1戦は浦和が前半22分に先制したものの、川崎Fが後半アディショナルタイムに追いついて1-1のドロー。互いに負傷者も出てしまい、苦しい台所事情のなかで第2戦に臨む。川崎FはDF佐々木旭を左CBで起用。ベンチにはメンバー外が続いていたMF大関友翔やFW小林悠が戻った。浦和は第1戦の先発からFW小森飛絢ら8人を入れ替えた。一方、第1戦で負傷交代していたDFマリウス・ホイブラーテンは引き続きスタメンとなった。[両スタメン&布陣]
両チームともに慎重な入りで時間が進む。試合が動いたのは前半15分。川崎Fは浦和のGK西川周作からDFダニーロ・ボザに渡ったところをMF脇坂泰斗が見逃さない。鋭いインターセプトで奪い切ると、敵陣PA内でボザのファウルを誘発し、PKを獲得した。
キッカーはFWエリソン。豪快な左足シュートをゴール右上隅に突き刺し、先制ゴールを手にした。
先制した川崎Fは時間を有効に使いながら試合を運ぶ。一方、我慢の時間が続く浦和は前半40分、中盤からボザがロングシュートを放つと、GK山口瑠伊のセーブのこぼれ球をDF長沼洋一が収める。折り返したボールを小森が押し込むも、わずかにオフサイドラインを割っており、ノーゴールとなった。
丁寧に攻撃を進める川崎Fと、ロングカウンターを狙う浦和の攻防が続くが、前半は川崎Fが1-0のリードを保ち、後半に折り返した。追いつきたい浦和はハーフタイムで交代カードを2枚使用。MFマテウス・サヴィオとMF松本泰志を下げ、MF中島翔哉とMF柴戸海が入った。後半10分、中島はPA左手前から右足ミドル。鋭い弾道はわずかにゴール上に逸れた。
川崎Fは後半13分に交代枠を使う。腰を痛めたFWマルシーニョに代えて、宮城が出場した。浦和は中島が攻撃のタクトを振り、攻勢を強める。一方、川崎Fはエリソンからのロングカウンターで敵陣まで押し込み、拮抗した展開が続いた。
後半26分、川崎Fは絶好調のFW伊藤達哉が中盤からドリブル突破でチャンスを作った。PA手前でファウルを受けてFKを獲得。脇坂の右足キックはゴール左ポストを直撃した。
浦和は後半27分に再び2枚替え。MF松尾佑介とDF長沼洋一を下げ、新加入のFWイサーク・キーセ・テリンとDF荻原拓也が投入される。すると直後にロシアW杯メンバーの元スウェーデン代表FWが躍動。2分後の29分、MF金子拓郎が右サイドから左足のアーリークロスを上げると、ゴール前のテリンが190cmの高身長から長い右足を伸ばし、日本デビュー戦で同点ゴールを押し込んだ。
川崎Fは失点前から用意していた2枚替え。脇坂とエリソンに代え、大関とFWラザル・ロマニッチが入った。浦和は35分に5枚目のカードを使い、小森を下げてMF関根貴大が出場した。川崎Fは41分に河原からMF橘田健人の交代を行った。
後半43分、再び均衡が崩れる。川崎FはPA手前でボールを持った伊藤が右足を一閃。縦回転をかけた弾道はGK西川も触れられず、公式戦5試合連続ゴールとなる勝ち越し弾がネットに突き刺さった。 しかし浦和も諦めない。後半45分、30mほど離れた地点のFKを中島が右足シュート。ゴール右隅のクロスバーに当たったボールは山口の背中に当たってゴールラインを割る。第1戦に続くファインゴールで、再び2-2と同点に追いついた。90分で決着つかず、試合は延長戦へ。浦和は後半途中で大関と交錯した柴戸が、後半終了直後に脳震とうの疑いで交代。MF大久保智明が出場した。
延長前半から勢いを掴んだのは川崎F。キレが落ちない伊藤と、勢いをつける大関が果敢に敵陣内に入り込む。延長前半5分、伊藤がPA左でボディフェイントから深い位置に突破。関根のファウルを誘発し、PKを獲得した。PKキッカーは宮城。短い助走からの右足シュートをゴール右に決め切り、3-2と3度目の勝ち越しゴールを挙げた。再び追いかける展開になった浦和は延長前半9分、延長戦になったことで6人目の交代枠を使用。金子を下げ、MF早川隼平がピッチに入った。
川崎Fは3-2でリードのまま延長前半を終えた。ハーフタイムで伊藤が下がり、DF田邉秀斗が入った。延長後半2分には宮城に代わり、DF神橋良汰が出場する。CBを2枚から3枚に変えた。一方、浦和はボザが前線に上がり、パワープレーの形を取った。
浦和の猛攻に対し、川崎Fは終了間際に大関を下げてFW小林悠を投入して逃げ切る。試合はそのまま終了し、川崎Fが3-2で勝利。2試合合計4-3で死闘を制した。10月8日、12日の準決勝では柏レイソルと対戦する。
(取材・文 石川祐介)●ルヴァン杯2025特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中