ウクライナ、和平交渉への関与不可欠-EU外相が米ロ提案に苦言

Andrea Palasciano、Arne Delfs

  • 今週発表の和平計画案、ウクライナ領土割譲や軍縮含む
  • 米国、ロシアと協議し作成-ウクライナにはウィトコフ米特使が説明

欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)は20日、ウクライナ和平のあらゆる試みには、ウクライナの関与が不可欠との考えを改めて強調した。これまでの戦争終結に向けた一連の米ロ提案が、他の西側同盟国にとっては不意打ちの形で出ていることを受けた発言だ。

  トランプ政権によるウクライナ和平交渉再開の試みとして、今週、ガザ停戦をモデルとした28項目に及ぶ計画が浮上した。関係者によると、この計画はロシア側と協議のうえで作成され、戦争終結に関するロシア政府の立場をなぞったものだ。

EUのカラス外交安全保障上級代表(20日、ブリュッセルで)

  カラス氏はブリュッセルでのEU外相理事会前、「いかなる計画も、機能するためには、ウクライナと欧州の参加が必要だ。これは極めて明白なことだ」と記者団に語った。

  関係者によると、この提案にはウクライナが東部ドンバス地域の領土を割譲することや、ウクライナ軍の規模の制限などが含まれている。ウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記が今週、米マイアミでトランプ大統領のウィトコフ特使と会談し、ロシアに有利とみられる新計画についての説明を受けたという。

  ロシアのウクライナ侵攻は今年で4年目。和平交渉で突破口を見いだそうとするトランプ氏の試みは、ロシアのプーチン大統領が譲歩せず、度々失敗に終わっている。

原題:EU’s Top Diplomat Says Any Peace Plan Needs to Involve Ukraine(抜粋)

— 取材協力 Donato Paolo Mancini and Jan Bratanic

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