小西雄大スーパー決勝弾!! 柏が0-2からの大逆転4発で暫定首位浮上!! 浦和は0-2リード守れず黒星

[8.22 J1第27節 柏 4-2 浦和 三協F柏]

 J1リーグは22日、第27節を行い、柏レイソル浦和レッズとの上位対決を4-2で制した。浦和が前半にDF長沼洋一とFW松尾佑介のゴールで先行したが、後半は柏が猛攻を展開し、途中出場のMF瀬川祐輔とFW細谷真大のゴールで同点。さらに同45分、今夏加入のMF小西雄大が左サイドを突破すると、角度のないところから驚きの劇的逆転ゴールを奪った。最後にさらに1点を重ねた柏は今季初連敗のピンチから鮮やかな逆転勝利を飾り、暫定首位に浮上した。

 ホームの柏は前節・岡山戦(●1-2)から先発2人を入れ替え、古巣対戦のMF小泉佳穂とMF山田雄士が揃って3試合ぶりの先発復帰。対する浦和は前節・名古屋戦(◯2-1)から1人を入れ替え、負傷交代したFW小森飛絢に代わってMF関根貴大が9試合ぶりに先発した。関根は左ウイングに入り、松尾が1トップに回った。[スタメン&布陣]

 試合は前半5分、勢いよく試合に入った浦和が早くもスコアを動かした。MFマテウス・サヴィオの1本目の左CKはDF古賀太陽にクリアされ、不発に終わったが、2度目の左CKはニアサイドに入った柏FW垣田裕暉の頭をかすめてファーサイドへ。これに反応した長沼が巧みなヘディングで押し込んだ。長沼は昨夏の加入後初ゴール。23年に鳥栖で年間10得点を記録した28歳に待望の一発が飛び出した。

 一方の柏は前半8分、左サイドのDF三丸拡を起点にパスをつなぎ、中央に絞ったMF小屋松知哉からのスルーパスでMF渡井理己が前進すると、カットインからオープンな右サイドにパス。MF久保藤次郎のトラップが乱れて作り直しとなったが、渡井のパスから垣田が振り向きざまに惜しいシュートを放ち、ファーストチャンスを作った。

 その後は柏がボールを握り、浦和がミドルゾーンのブロックで構える展開。前半27分には垣田が激しいプレッシングをGK西川周作にかけ、縦パスのミスを誘うと、MF中川敦瑛も絡んだ攻撃から小泉がシュートフェイントから左足一閃。だが、これはMF安居海渡のブロックに阻まれ、軌道が変わったボールも西川にかき出された。

 対する浦和は前半34分、右サイドのスローインから安居がロングスルーパスを送ると、右に流れながら反応した松尾がDF古賀太陽との競り合いに勝ち、フリーでゴール前へ。だが、1対1から放ったシュートはGK小島亨介に阻まれると、跳ね返りを拾った関根の右足シュートも小島の正面に飛んだ。

 なおも攻める柏は前半39分、小屋松が左サイドで相手をかわし、カットインからオープンな右に渡すと、フリーになっていた小泉が右足シュート。だが、これは大きく外れ、絶好のチャンスを活かすことができない。その直後、浦和は西川がゴールキックの再開を遅らせたとして、傅明主審にイエローカードを提示された。

 すると前半42分、浦和はDFダニーロ・ボザが右サイドに流れて相手のファーストプレスをかいくぐると、縦パスをM・サヴィオがフリックし、右サイドをMF金子拓郎がフリーで突破。ペナルティエリアにラストパスを送ると、中央に絞った関根がかすかにそらし、左に走った松尾がワンタッチで流し込んだ。これで2-0。松尾は13試合ぶりの得点で今季4ゴール目となった。

 後半開始時、柏は垣田と三丸に代わってFW瀬川祐輔とDF杉岡大暉を投入。杉岡は3月2日の第4節・浦和戦で左大腿二頭筋長頭肉離れのケガを負っており、奇しくも浦和戦で5か月半ぶりのJ1リーグ戦復帰となった。すると後半9分、柏は左右を使ったサイド攻撃から波状攻撃を繰り広げ、小屋松のクロスから杉岡がシュートを放つと、高く上がったボールを収めた瀬川が強引に押し込み、早い時間帯に1点を返した。

 さらに攻める柏は後半17分、左サイドを突破した杉岡のクロスに瀬川がフリーで合わせるも、これは西川に阻まれる。すると同18分、負傷明けの小泉に代わってFW細谷真大が入った。一方の浦和も同じタイミングで前線を入れ替え、松尾を下げてFWチアゴ・サンタナを投入した。同24分、サンタナが左サイド突破から果敢にシュートを放つも、小島のファインセーブに阻まれた。

 柏は後半29分、MF小西雄大とMF仲間隼斗を投入すると、仲間がファーストプレーでミドルシュートを狙ったが、惜しくもクロスバーに直撃。同30分には杉岡のミドルシュートが枠を外れ、なかなかチャンスを活かせない。さらに同33分には中央突破から仲間が落とし、細谷が狙ったが、足をつりながらも奮闘したDF石原広教のブロックに阻まれた。

 それでも後半38分、柏がついに追いついた。DF原田亘の縦パスを小西が収め、細谷がつないで瀬川に渡すと、瀬川はシュートを打つと見せかけてラストパス。そこに走り込んだ細谷が左に持ち出し、左足でゴール右隅に流し込んだ。細谷は7試合ぶりのゴールで今季6点目。途中出場が続く若きストライカーがチームを救った。

 すると後半45分、決勝点は思わぬ形で決まった。柏は左サイドのパスワークから小西が相手をかわし、縦突破を仕掛けると、ゴール前にクロスボールを配球。するとこれがゴール方向に向かい、ファーサイドネットにギリギリで吸い込まれ、ゴールインとなった。今夏加入の小西は加入後初ゴール。徳島時代にもリカルド・ロドリゲス監督の指導を受けたアタッカーがスーパーゴールでホームの観客を沸かせた。  さらに後半アディショナルタイム6分、柏は小屋松のシュートが右ポストに弾かれたが、跳ね返りを久保が決めて4点目。そのままタイムアップを迎え、柏が鮮やかな逆転劇で暫定首位浮上を果たした。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中

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