米とウクライナ、和平案を「更新・改良」 協議継続へ

米国は23日にスイスのジュネーブで行ったウクライナ和平案に関する協議で大きな進展があったという認識を示した。ただ、ロシアの脅威が懸念される中、ウクライナの安全をどのように保証するかについては合意に至らなかった。写真はスイス・ジュネーブでウクライナ和平案協議のため集まった米・ウクライナ代表団。スイス・ジュネーブで撮影(2025年 ロイター/Emma Farge)

[ジュネーブ 23日 ロイター] - 米国は23日にスイスのジュネーブで行ったウクライナ和平案に関する協議で大きな進展があったという認識を示した。両国はその後、共同声明を発表し、紛争終結に向けた「更新・改良された和平の枠組み」を策定したと表明した。

米国が提示した和平案を巡っては、ロシアに大きく譲歩した内容だとしてウクライナと同盟諸国が懸念を示していたが、協議を踏まえて修正されたとみられる。

両国は共同声明で、協議は「非常に生産的」だったとし、今後数日にわたり継続されると述べた。ウクライナの安全の保証など解決すべき多くの問題について具体的な言及はなかった。

米ホワイトハウスはこれとは別に発表した声明で、新たな案には安全の保証の強化が含まれていると説明。ウクライナ代表団は同案について、自国の利益を反映する内容だとの見方を示したという。ウクライナ側は独自の声明を発表しておらず、現時点でコメントは得られていない。

ウクライナ代表団とのハイレベル協議を主導したルビオ米国務長官は、北大西洋条約機構(NATO)の役割やウクライナの安全の保証などについてはまだ課題が残されているとしながらも、トランプ大統領が推進する28項目のウクライナ和平案における未解決の問題を絞り込むことができたとし、「われわれはきょう、非常に実質的な形でそれを達成した」と記者団に語った。

これに先立ち、トランプ氏はウクライナが戦争を巡る米国の取り組みに感謝していないと発言し、ウクライナ当局者らはトランプ氏の支援に対する感謝の意を強調していた。

米国案をベースに独自の和平案を策定した欧州の代表団は23日遅くに米国とウクライナ代表団の協議に加わった。

欧州の案はウクライナに米国案よりも大規模な軍事力を与え、どの地域をロシア領と見なすかを事前に決めるのではなく、前線から領土に関する協議を始めるべきだと提案している。

トランプ氏は21日、ウクライナの米国案受け入れ期限は27日との認識を示したが、22日には提案は最終案ではないと述べ、調整の余地があることを示唆した。

ルビオ氏は23日、懸案事項に対処する時間が依然として必要だと述べ、27日までに合意に達することを望んでいるが、さらに時間がかかる可能性を示唆した。

2人の関係者によると、米国とウクライナの当局者は、早ければ今週中にゼレンスキー大統領が米国を訪れ、トランプ氏と米国の和平案について話し合う可能性について協議しているという。

領土問題など和平案で最もデリケートな問題について両首脳が協議することを主に想定しているが、現時点で具体的な日程は決まっていないという。

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Emma Farge reports on the U.N. beat and Swiss news from Geneva since 2019. She has produced a string of exclusives on diplomacy, the environment and global trade and covered Switzerland’s first war crimes trial. Her Reuters career started in 2009 covering oil swaps from London and she has since written about the West African Ebola outbreak, embedded with U.N. troops in north Mali and was the first reporter to enter deposed Gambian dictator Yahya Jammeh’s estate. She co-authored a winning story for the Elizabeth Neuffer Memorial Prize on Russia’s diplomatic isolation in 2022 and was also part of a team of journalists nominated in 2012 as Pulitzer finalists in the international reporting category for coverage of the Libyan revolution. She holds a BA from Oxford University (First) and an MSc from the LSE in International Relations. She is currently on the board of the press association for UN correspondents in Geneva (ACANU).

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