マスク氏の政権関与、テスラ車販売に影響の恐れ-中国業界団体が指摘

Linda Lew

  • 極右支援などの影響で1-2月はドイツで71%、フランスで44%減
  • 中国でもモデルYアップグレードに伴い2月の販売49%減

中国の全国乗用車市場情報連合会(乗連会)の崔東樹秘書長(事務局長)は10日の記者会見で、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政界進出により、すでに急落している同社の電気自動車(EV)販売にさらに悪影響が及ぶ可能性があるとの見方を示した。

  崔氏は「選挙という観点で見た場合、有権者の半分は友好的で、残りの半分はそうではないだろう。個人的栄光は手に入れられるものの、避けられないリスクだ」と述べた。

  昨年11月にトランプ米大統領が選挙で勝利してから数週間のうちに、テスラの株価は急騰した。マスク氏とトランプ氏との近しい関係が、同社に有利に働くとの期待からだ。だが、投資家が同社の販売に改めて注目する中、EV業界全体の低迷ですでに勢いを欠いていた販売台数は主要な世界市場で急落し、株価は7週連続の下落を記録した。

  ドイツでは、2月の総選挙の際にマスク氏が極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を支持したことなどを受け、1-2月のでテスラの販売台数は71%減少した。同時期のフランスでの販売台数も44%減少した。

  テスラの中国への出荷台数は2月に49%減少した。崔氏は、この減少はスポーツ型多目的車(SUV)「モデルY」のアップグレード期間に伴う販売低迷によるものとしている。

  乗連会によると、下取り補助金の更新や、春節(旧正月)休暇が1月に一部重なったことにより、2月の中国での自動車販売台数は前年同月比で26%増加した。EVとハイブリッド車は80%増加したという。

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原題:Elon Musk’s Politics May Hurt Tesla Sales, China Car Group Says(抜粋)

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