トランプ氏、重要鉱物の生産能力増強を指示-戦時下の緊急権限活用

Ari Natter、Joe Deaux

  • 重要鉱物やレアアース加工を資金面から支援、国防生産法を活用
  • 中国からの輸入に依存している状況を懸念、国内の資源開発を強化へ

トランプ米大統領は重要鉱物の生産能力を高めるため、戦時下の緊急権限を活用する。米国内における天然資源の開発を強化し、輸入への依存度を低減させることが狙いだ。

  政府高官によると、トランプ氏が20日に署名した大統領令では、国内での重要鉱物やレアアースを加工するための資金調達、融資、その他の投資支援を提供する取り組みの一環として、「国防生産法(DPA)」を活用する。米国際開発金融公社(DFC)が国防総省と協力し、新たな鉱物生産プロジェクトへの融資を行う。

  DPAは朝鮮戦争下の1950年に成立した法律で、戦略物資の国内生産を促すため、政府が産業界を直接統制できる権限を持つ。トランプ氏は1期目に、新型コロナウイルス禍で医療用マスクの生産を促進するため、同法を行使した。

  今回の大統領ではまた、掘削や加工プロジェクトの許可を迅速化するほか、内務省に連邦所有地での鉱物生産を優先させることも指示した。重要なレアアースの加工で中国が圧倒的な地位を占めていることへの懸念に直接対応する。

  ホワイトハウスによると、米国は一部の重要鉱物を有するものの、相当な量を輸入しており、経済および安全保障上のリスクが生じている。少なくとも15種類の重要鉱物について輸入に頼っており、レアアース輸入の7割は中国からだという。トランプ政権は重要鉱物に絡む国内サプライチェーンの安定と強じん性を確保するため、民間部門とも協調する予定だ。

原題:Trump to Expand Critical Mineral Production Using Wartime Powers(抜粋)

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