カナダとインド、外交関係改善に動く-トランプ関税の脅威を共有
Sudhi Ranjan Sen、Laura Dhillon Kane
- 多くの国が対米貿易縮小リスク対応で他の相手国との関係強化に動く
カナダとインドが、外交関係の緊張緩和に向け動き出すとともに貿易関係の強化を探っている。両国とも米国の関税政策の脅威にさらされ、対策を迫られている。
事情に詳しい複数の関係者によると、両国は互いに国外追放していた外交官を戻すことを検討している。非公開の情報として、関係者が匿名を条件に語った。
2023年にカナダで起きたシーク教指導者の殺害事件にインドの工作員が関与したと当時のトルドー首相が示唆したことで両国の対立は激化。昨年外交官を追放する事態にまで至っていた。
カナダの情報機関、カナダ安全保障情報局(CSIS)のディレクター、ロジャース氏が先週ニューデリーでインドのドバル国家安全保障担当補佐官が主催する会合に参加した。
関係者よれば、6月にカナダ・アルバータ州で開催される主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)の際、両国の首相が会談する可能性も排除されていない。インドはG7にオブザーバーとして参加する。
カナダ当局者は、カーニー首相が3月に就任し、関係を再構築する機会ができたと言及。カナダは数カ月前から同国の法の尊重を条件にインドとの関係改善を模索しており、そのアプローチはトルドー氏退任後も変わらないと説明した。
インドとカナダはともに、トランプ米大統領から関税強化の標的にされており、4月2日の広範囲にわたる関税発動によって自国経済に打撃が及ぶとみている。
多くの国・地域が、対米貿易縮小リスクへの対応でその他の貿易相手国との関係強化に向け動いている状況だ。
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