ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る(日刊ゲンダイDIGITAL)|dメニューニュース

 指揮官も本当の状態を測りかねている。

 右肩インピンジメント症候群からの復帰のメドが立たないドジャースの佐々木朗希(23)について、ロバーツ監督は日本時間14日の試合後、「(佐々木が)まだ強度を上げられる状態にはないと感じているようだ」としたうえで、「彼が違和感があると感じているのか、自分の状態に自信を持てないのかは分からない」と、首を捻ったのだ。

 開幕ローテ入りを果たした佐々木は、8試合目の先発登板となった5月10日のダイヤモンドバックス戦の試合後に右肩痛を発症し、同14日に15日間のIL入り。精密検査の結果、肩に異常は見られず、軽傷を強調していたロバーツ監督も、さすがにここまで長引くとは思っていなかったことだろう。

 プライアー投手コーチも、報道陣から「強度を上げられないのはまだ肩に違和感があるのか」と問われると、「違和感があるのか、まだ自信を持てないだけなのかは分からない」と言及。リハビリの強度を上げられない現状を強調した。

 実際、IL入りから1カ月が経過した今も、リハビリは軽いキャッチボール程度にとどまり、16日は2日連続でノースロー調整だった。前半戦の復帰は絶望的といっていい。

 さる現地特派員が言う。

「これまで佐々木をかばう発言をしてきたロバーツ監督がついに首を捻った格好です。そもそも佐々木は中5日で先発する直前に肩痛を申告し、首脳陣は大わらわ。『もっと早く言ってくれよ……』といわんばかりに困惑していた。本来ならマイナーで調整させるところをわざわざメジャーに同行させているのは、リハビリの状況を把握したいことに加え、大争奪戦の末に獲得したトッププロスペクトへの配慮、球団としての体裁もあったのでしょう。しかし、離脱から1カ月が経過してもなお、佐々木は自らブレーキを踏み続けている状態。当初のリハビリ計画は大幅にズレ込みながらも『15日間』のIL入りを維持しているのは、復帰に向けた青写真を描けないことの裏返しです」

戦力より育成に重点か

 メジャーに詳しいスポーツライターの友成那智氏もこう言う。

「球団や首脳陣は、佐々木が昨季ロッテで111イニング投げていることから、年間100イニング程度投げてくれればともくろみがあったはず。しかし遅々としてリハビリが進展せず、そのアテは外れた格好です。このままでは前半戦はおろか、ポストシーズンの戦力としても計算できない。ドジャースの投手陣は崩壊状態で、4位のダイヤモンドバックスまで5.5ゲーム差(15日現在)の大混戦。マイナーも、故障者を除けば、すぐにでもメジャーに引き上げられる投手は少ない。佐々木にはすぐにでも投げてもらいたいはずですが、スロー調整を認めているということはもはや、育成に重点を置くつもりなのかもしれません」

 そうなると、いよいよ佐々木はマイナー落ちとなるのか。

「戦力として見なさないとなれば、メジャーに同行させる必要はなくなります。60日間のILへ移行したうえで、キャンプ地・アリゾナの育成施設でリハビリ、トレーニングや技術向上を目指すことになるのではないか」

 とは、前出の友成氏だ。

「ドジャースはメジャー屈指のスタッフを多く抱えています。アリゾナでは、投手コーディネーターやトレーナー、医療スタッフなどの下、若手が体力や筋力、球質、変化球習得など、底上げを図っている。佐々木も来季以降を見据えてその輪の中に入る可能性はあります」

 16日、ロバーツ監督が試合前の会見で佐々木に関して「現実的には今季は彼がいないという方向で考えるのが妥当だろう」と改めて言及。今季の構想から外すことを示唆した。

 さらに佐々木が痛み止めの注射を打ったことも明かした。

 その佐々木は14日のジャイアンツ戦にベンチ入りし、大谷の横に並んでチームを鼓舞した。大谷が佐々木にちょっかいを出すなど、何もできない後輩を思いやる場面も見られるが、今季はこのままベンチから外れそうな雲行きだ。

  ◇  ◇  ◇

 当初の予定を大きく下回る佐々木朗希のリハビリに、ロバーツ監督はついにメンタル面の問題を示唆。だが、「しっくりこない」などと言って、チーム状況に関係なく離脱を繰り返してきたのは、古巣ロッテ時代から“お馴染み”の光景だ。当時もチーム内では白い目で見る向きがあったという。このままでは、ドジャースでも同じ轍を踏むことになるのか。佐々木のこれまでの「生き方」とは。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

関連記事: