【緊急搬送】ラモス瑠偉「脳梗塞」で意識消失… 妻の決断が生死を分けた

長谷川先生: 現在の体調はいかがですか? ラモスさん: 今の状態は最高です。毎年、脳のMRI検査や頸動脈のエコー検査を受けていますが、特に異常は見つかっていません。脳の動脈硬化性変化も退院後、全くないと言われています。 長谷川先生: ラモスさんの年齢であれば、動脈硬化による深部白質病変がいくつかあっても不思議ではありません。それが全く見られないということは、かなり珍しいですね。ラモスさんが脳梗塞を発症した時の状況を教えてください。 ラモスさん: 当時は10年ぶりの日韓OB戦に向けて1ヵ月ほど練習していました。異変が起きたのは、試合の1週間前、追い込みでサウナスーツを着てトレーニングをした翌朝のことでした。 長谷川先生: どのような症状が出ましたか? ラモスさん: 就寝中に手が勝手に動いて自分の顔をたたいて目が覚めました。驚いて飛び起きたらベッドから落ちて、そのまま倒れてしまったようです。 長谷川先生: 手が痙攣していたのですね。その後はどうされましたか? ラモスさん: 起き上がろうとしても左の手足が動かず、妻が救急車を呼んでくれたようです。気がついた時には病院にいて、その間の記憶が全くありませんでした。 長谷川先生: 小さな梗塞の場合は意識を失うことが少ないので、太い血管が詰まっていたのでしょう。 ラモスさん: 中大脳動脈が詰まっていたと説明を受けました。その日は12月29日だったのですが、救急車がすぐに来て専門医の先生もいたため、すぐに診断し治療してもらえたので幸運だったと思います。 長谷川先生: しゃべりにくさはありましたか? ラモスさん: はい。日本語もポルトガル語も上手く話せず子どもの頃から覚えていたポルトガル語のお祈りも出てきませんでした。 長谷川先生: そのほかに何か症状はありましたか? ラモスさん: 味覚や嗅覚障害に加え、左半身が不自由になり、腕の感覚がなくなりました。そのため、腕が体の下敷きになっても痛みを感じませんでした。 長谷川先生: 脳梗塞の原因について何か説明はありましたか? ラモスさん: 発症時は先生に詳しく診てもらいましたが、血管に異常はなく原因もはっきり分かりませんでした。発症の引き金には脱水が関係していたのではないかと言われたと思います。 長谷川先生: トレーニング中は水分をどれくらい飲んでいましたか? ラモスさん: あまり飲んでいませんでした。試合でも勝つ方法を考えることに精一杯で残り10分にトレーナーが水を持ってきても断ることが多かったですね。 長谷川先生: そのほかに何か発症の心当たりはありますか? ラモスさん: 当時は監督やサッカースクールなど、仕事が忙しくてストレスも原因の一つではないかと言われました。移動のために新幹線や飛行機を使う機会が多いことも指摘されたと思います。 長谷川先生: エコノミークラス症候群の可能性もあるということですね。ストレスは万病の元とも言われているので、脱水だけでなくそういった影響もあったのかもしれませんね。 ラモスさん: 一般的な脳梗塞の原因について教えてください。 長谷川先生: 脳梗塞には主に3つのタイプがあります。主に動脈硬化を原因とするアテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞、そして心臓の不整脈でできた血栓が脳に飛んで詰まる心原性脳塞栓症です。 ラモスさん: 私のように原因が分からない人もいますか? 長谷川先生: いらっしゃいます。何か前兆はありましたか? ラモスさん: 何もありませんでした。前兆として起こる症状には、どのようなものがありますか? 長谷川先生: 目に送られる血液が減少することで、目の前が突然真っ暗になる黒内障と呼ばれる症状が一般的です。また、一過性脳虚血発作といって一時的に脳の血流が悪くなり体の動かしにくさやしゃべりにくさを感じることもあります。これらの症状はすぐに消えることが多いですが、繰り返す場合は放置せずに早めの受診が大切です。 ラモスさん: もし前兆があった場合は、どのような病院を受診すればいいのでしょうか? 長谷川先生: 脳神経外科や脳神経内科など専門医がいる病院を受診することをおすすめします。 ラモスさん: どのような検査をおこないますか? 長谷川先生: MRI検査は放射線の被曝がなく安心して使用できると思います。次に首や全身の血管に超音波を当てておこなう動脈硬化の確認も重要です。さらに、造影剤を使ってCTを撮影すると3D画像で血管の狭窄や動脈瘤の有無が分かります。それでも原因が見つからなければ、心臓に原因がある可能性を考慮して心臓も調べていきます。

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