話題株ピックアップ【夕刊】(2):神戸物産、住友林、楽天グループ

神戸物産 <日足> 「株探」多機能チャートより
■神戸物産 <3038>  4,249円  +158 円 (+3.9%)  本日終値  神戸物産<3038>が3日続伸。11日の取引終了後に発表した第3四半期累計(24年11月~25年7月)連結決算が、売上高4115億5300万円(前年同期比9.1%増)、営業利益303億3900万円(同13.9%増)、純利益261億9900万円(同76.5%増)と2ケタ営業増益となり、かつ最終利益が通期計画を上回って着地したことが好感された。業務スーパー事業で37店舗の新規出店(退店9店舗)を行ったほか、既存店への商品出荷が好調に推移したことに加えて、プライベートブランド商品が多くのメディアで取り上げられたことが集客力の向上につながったことが寄与した。売上高増加に伴う運賃の増加や外食直営店出店に伴う人件費や家賃などの増加はあったものの、円高の影響で仕入れコストが低減したことも営業増益に貢献した。なお、最終利益はリスクヘッジのために取り組んでいる為替予約関連の時価評価益が利益を押し上げた。25年10月期通期業績予想は、売上高5250億円(前期比3.4%増)、営業利益377億円(同9.8%増)、純利益240億円(同11.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■住友林業 <1911>  1,809.5円  +58.5 円 (+3.3%)  本日終値

 住友林業<1911>が切り返し急。木造住宅で強みを発揮する注文住宅の大手だが、海外売上比率が6割強と国内を上回っているのがポイントで、特に米国での戸建てが全体収益の主柱を担っている。米国では来週16~17日の日程で行われる連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き下げが濃厚視されるほか、年内残り2回の会合でも連続利下げの公算が大きくなっており、これに連動する形での住宅ローン金利の低下が同社の業績に追い風になるとの見方が広がった。25年12月期は2ケタ増収見通しながら営業利益は金利高の影響で2ケタ減益が予想されている。しかし、住宅ローン金利低下の恩恵によって来期は利益率改善が期待され、これを先取りする機関投資家の買いを引き寄せているもようだ。

■楽天グループ <4755>  960.9円  +30.5 円 (+3.3%)  本日終値

 楽天グループ<4755>が後場一段高。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版が日本時間12日、楽天メディカルが2027年以降の資金調達に向け、IPO(新規株式公開)を検討していると報じ、楽天グループの株価の刺激材料となったようだ。楽天メディカルは医薬品の開発を進めるバイオベンチャーで、楽天グループの持ち分法適用関連会社。楽天メディカルのホームページによると、「ASP-1929(国内製品名アキャルックス点滴静注250mg)」は、「局所再発頭頸部扁平上皮がん」を対象に、グローバル第3相臨床試験を実施している。日本においては、「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん」を効能効果として当局より承認を取得しているという。

■日本ライフライン <7575>  1,535円  +37 円 (+2.5%)  本日終値

 日本ライフライン<7575>は4日ぶりに反発。11日の取引終了後、同社が製造する投与カテーテルシステムをHeartseed<219A>の臨床試験向けに提供すると発表しており、好感した買いが入った。両社はハートシードが開発中の他家iPS細胞由来心筋球「HS―005」の臨床試験で協業・提携している。日本ライフLが提供する投与カテーテルシステムは心臓内の3Dマッピング表示に対応し、標的部位に細胞を正確に投与するための機構を備える。臨床試験では、日本ライフLによるiPS細胞由来心筋球専用の投与カテーテルシステムを使用して心筋壁への投与を行う。

■インソース <6200>  996円  +21 円 (+2.2%)  本日終値

 インソース<6200>が後場強含みとなった。同社はきょう午前11時50分ごろ、子会社のインソースマーケティングデザインが「栃木県空き家対策総合プラットフォーム(PF)構築等業務」の委託業者として選定されたと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。業務内容は「空き家PFの設計・ページデザイン・システム開発」「空き家PFの運用・保守管理」「空き家PFに関する広告物の作成・配信」など。履行期間は来年3月31日までとなっている。

■ミガロホールディングス <5535>  915円  +13 円 (+1.4%)  本日終値

 ミガロホールディングス<5535>が高い。午前11時30分ごろ、子会社DXYZが開発・提供する顔認証IDプラットフォーム「FreeiD(フリード)」が、8月に竣工した「ミタマチテラス」(東京都港区)に採用されたと発表しており、好材料視された。「ミタマチテラス」は、中央日本土地建物(東京都千代田区)及び都市再生機構(横浜市中区)が建設した地上20階・地下3階建ての複合オフィスビル。中央日本土地建物の本社及びワークプレイスには、既に「FreeiD」が導入されており、今回の導入にあたっても安全性や利便性が評価されたという。なお、今回の採用は、大規模オフィスビルの標準設備として初の「FreeiD」の導入実績となる。

■キヤノン <7751>  4,424円  +19 円 (+0.4%)  本日終値

 キヤノン<7751>は3日続伸。この日、9月25~28日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「東京ゲームショウ2025」に初参加すると発表しており、好材料視された。同社のブースでは、iPhone・iPadだけで本格的なライブ配信が可能なアプリ「Live Switcher Mobile」が体験できるとしている。

■デジタルグリッド <350A>  7,120円  -3,000 円 (-29.6%) ストップ安   本日終値

 デジタルグリッド<350A>はストップ安。11日取引終了後、26年7月期連結業績予想について売上高を前期比2.1%増の62億8100万円とした一方、営業利益を同13.8%減の23億6300万円と発表した。前期から一転減益の見通しを示したことが嫌気された。中期的に頑健な事業ポートフォリオを形成するための投資期間として一時的な利益率の低下を想定。人件費やマーケティング費用の増加を見込む。配当予想は無配継続とした。同時に発表した25年7月期決算は売上高が61億5300万円(前の期単独35億1500万円)、営業利益が27億4200万円(同15億4700万円)だった。あわせて、10月31日を基準日として1株を6株に分割すると明らかにした。

■タイミー <215A>  1,708円  -454 円 (-21.0%)  本日終値

 タイミー<215A>は3日ぶり急反落。同社は11日の取引終了後、25年10月期第3四半期累計(24年11月~25年7月)の単独決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。売上高予想は従来予想の343億9400万~357億円から341億3900万~343億円(前期比27.0~27.6%増)に引き下げており、成長率の鈍化を警戒した売りが優勢となった。物流業界における一部プロジェクトの収益貢献の本格化が来期以降となる見込みであるうえ、飲食・小売業界を中心にコスト抑制の動きが継続した。営業利益は60億~67億1000万円から67億7300万~71億3400万円(同59.5~68.0%増)に引き上げた。広告宣伝費を中心とした費用の抑制効果を見込む。11~7月期は売上高が248億2700万円(前年同期比30.5%増)、営業利益が50億9700万円(同82.5%増)だった。

■デジタルHD <2389>  1,963円  -180 円 (-8.4%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

 デジタルホールディングス<2389>は大幅安。11日取引終了後、博報堂DYホールディングス<2433>から完全子会社化を目的としたTOBを受けたことを明らかにした。TOB価格は1株1970円。足もとの株価水準を下回るディスカウントTOBとなっており、これにサヤ寄せする格好で売られた。買い付け予定数は1375万4907株(下限757万2454株、上限設定なし)、買い付け期間は9月12日~10月28日。TOB成立後に同社株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は11日付で監理銘柄(確認中)に指定した。 株探ニュース

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