極薄「iPhone Air」、強度は大丈夫? 脳裏をよぎる11年前の「ベンドゲート」騒動

 Appleが9月10日に開催した「言葉にできない。」と題するイベントの主役は、間違いなく薄型の「iPhone Air」だった。厚さはわずか5.6mmで、クレジットカード3枚を重ねたよりも薄い。もっとも、巨大なカメラの出っ張りを無視すればの話だが。しかし、これほど薄いiPhoneを実際に欲しがっている人はいるのだろうか。 【画像】iPhone Airのカラーバリエーション  iPhone Airは「A19 Pro」チップを搭載しており、4800万画素のFusionカメラは1200万画素の2倍望遠撮影にも対応する。Appleによると、同社史上最も電力効率の高いスマートフォンだという。価格は256GBモデルで999ドル(日本では税込15万9800円)なので、価格に見合う価値が詰め込まれたiPhoneになるはずだ。少なくとも、そうでなければ困る。しかし、スマートフォンが壊れたり、曲がったり、粉々になったりしてしまえば、そんなことは何の意味も持たない。  私はそれほど不器用ではないが、時々スマートフォンを落としてしまう。家を飛び出すときにはバッグに放り込み、ランニング中はポケットに押し込み、料理中はカウンターに放り投げる。私が必要としているのは、多少乱暴に扱っても耐えられるスマートフォンだ。Appleは「これまでで最も耐久性のあるデザイン」とうたっているが、同社史上最も薄いこのモデルが、そうした扱いに耐えられるとは思えない。  私の懸念を裏付ける前例がある。2014年にAppleが、当時同社で最も薄いモデルだった「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」を発売した際、初期の複数のユーザーから、ポケットに入れていると本体が曲がってしまうという報告があがった。この問題は「ベンドゲート」として知られるようになる。Appleは当時、ごく一部のiPhoneだけに起きたと説明したが、歴史は繰り返すものだ。  CCS InsightのアナリストであるBen Wood氏は、「iPhone Airはエンジニアリングの見事な成果であり、Appleはその設計について詳しく説明した。『ベンドゲート』騒動につながったiPhone 6 Plusでの課題を考えると、Appleがユーザーを安心させたいと考えているのは明らかだ」と述べた。  もしAppleがプレゼンテーションで、マーケティングのための宣伝文句以上の、テストや開発に関する実用的な情報に言及していれば、iPhone Airの耐久性に対する私の不安も和らいだかもしれない。このご時世に999ドルもする新しいiPhoneを買わせたいのであれば、われわれには、数回使っただけで曲がったり壊れたりしないということを知る権利がある(幸いなことに、米CNETは近々テストする予定だ)。  Appleがやろうとしていること自体は評価するし、より軽いデバイスを求める一部の人々にとって、iPhone Airが魅力的であることは間違いないだろう。しかし、薄いことは必ずしも良いこととは限らない。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japan
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