米家計の純資産また増加、過去最高を更新-選挙後の株高が押し上げ

Augusta Saraiva

  • 「トランプトレード」が投資資金集める一方、不動産価値は低下
  • 株式相場は下落に転じ、高所得者層に消費手控えのリスク

米家計の純資産は2024年10-12月(第4四半期)に再び増加し、過去最高を更新した。トランプ氏の大統領選当選を受けた市場の上昇局面で、家計が潤った。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が13日発表した資料によると、家計純資産は前四半期から1640億ドル(約24兆3400億円、0.1%)増えて169兆ドル。家計が保有する株式の価値は2640億ドル近く増加した。一方で不動産の価値は下がり、全体の純資産の増加を抑えた。

  昨年の株式相場は大統領選挙後に大きく上昇。いわゆるトランプトレードに投資資金が集まった。共和党がビジネスに有利な政策を打ち出すとの期待が背景にあった。

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  しかし株式相場はここ数週間で流れが一転し、時価総額にして5兆ドルが吹き飛んだ。トランプ大統領が矢継ぎ早に打ち出す関税政策がリセッション(景気後退)の確率を高めるとの懸念で、ウォール街では相場の見通し下方修正が相次いでいる。これまで力強い個人消費の伸びを担ってきた高所得者層が、最近の株安によるポートフォリオ目減りで支出を控えるリスクがある。

原題:US Household Net Worth Climbed to Record at End of 2024(抜粋)

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