長期離脱中の岡本和真、負傷と復帰への胸中語る…「ぎりぎりのものが三つあった」「復帰後はフルで完璧に」

胸中を語るリハビリ中の岡本。左肘を痛めたプレーは、自身と三塁手の浦田、打者走者の阪神・中野の3人全員がぎりぎりのプレーをした結果と受け止めている=後藤嘉信撮影

 左肘の 靱帯(じんたい) を損傷してリハビリを続けている巨人の岡本和真内野手(29)が、読売新聞のインタビューに応じた。5月6日、東京ドームでの阪神戦、初回無死一塁の守り。阪神・中野のバントに三塁手・浦田が猛然と前進。捕球後の一塁への送球が内側(本塁方向)へそれ、岡本は左腕を伸ばしてキャッチ。駆け抜けようとした中野と交錯した。このアクシデントで長期離脱を余儀なくされた巨人の主砲が復帰に向けた胸中を語った。(聞き手・編集委員 小金沢智)

リハビリってこんな大変なんだ

 ――経過はいかがでしょう。左腕には負荷もかけている。

 「少しずつ段階を踏んでいる。再発しないようにトレーナーの方たちがメニューを組んでくれ、本当に地味なことを一からやっている。今までリハビリ班に入ったことがないので、こんな大変なんだ、リハビリって、そう思っています」

20キロの重りを担ぐトレーニングで汗を流す巨人の岡本=後藤嘉信撮影

 「朝9時から始まって、午後3時、4時になることもある。1週間のうち6日間で、きょうは(筋力トレーニングと有酸素運動を交える)サーキットの日、明日は全身を鍛えるトレーニングの日という感じ。リハビリメニューもあって、もう、たくさんありますよ」

 ――負傷したシーンは、ぎりぎりのプレーに見えた。

 「まず言いたいのは、僕は決してタッチにはいっていない。タッチするなら(腕を)逃がしながらできる。あれは、全部ぎりぎりのものが三つあったんです」

 「一塁ベースに付いて捕るのがファーストの基本。僕は(左足を)ベースに付けた中で、(送球を)捕れるか捕れないか、(左腕が打者走者と)当たるか当たらないかをボールが近づいて来るのを見ながら判断していた。捕れるとは思ったけど、当たるとも思った。だから捕ってすぐ、こう(腕を後ろに引いて)避けようと。でも打者走者はアウトかセーフか、ぎりぎりのタイミングで足も速い。サードは捕って一発で投げないとアウトにならないタイミング。僕はそれをぎりぎりで捕らないといけなかった。やっぱりアウトにしたい、捕らない選択肢はない。腕が当たることは覚悟の上。それでも腕を逃がそうと思った。でも、それ以上に(捕球と打者走者の到達が)同時すぎました」


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5月6日の阪神戦の1回無死一塁、バントした中野と一塁で交錯した岡本

 ――サードも守っている身として、送球の難しさはいかがでしょう。前進して捕っており、一塁線との角度が浅くなっている。

 「あの角度は難しい。僕もプロに入って、よく内側に投げてしまい、コーチから『外側に投げろ』と言われていた。角度がなくて、捕ってすぐパパンと投げると内側にいっちゃうのは本当に分かる。だからこそ捕ってあげたいし、捕るのがファーストの役目なんで。誰が悪いとかはなくて、浦田には落ち込んでほしくない。あれはたまたま。仕方ない。やったことがない人は何か言うかもしれないけど、経験者だったら気持ちが分かるんで、何も言わないはずですよ」

負傷シーン「誰も悪くない」

 ――浦田選手にはLINEでメッセージを送ったとか。

 「気にしていたら嫌だなと。誰も悪くないのにプレーに影響が出たらあかんなと思って」

守備練習では軽快な動きを見せている=後藤嘉信撮影

 ――一軍に定着した2018年以降、初めての長期離脱となり、シーズン中に試合中継を見る時間がある。

 「試合、見てますねえ。応援している。一軍は大変なんだな、しんどいだろうなって。やっぱり接戦ってしんどいじゃないですか。守っている緊張感も分かるし、チャンスの時のバッターボックスでの気持ちも分かる。そういうことを思いながら、頑張れって応援している」

 ――吉川は一時期、代役の4番に入るなど踏ん張っている。

 「僕は尚輝さんと一緒に試合に出始めている。(学年は)二つ違いで年も近いし、このあたりの世代がジャイアンツは意外といない。中軸を打っていて、内野でも重要なところにいるんで大変だろうなあ」

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