TZ99」をスマホカメラ世代にこそ触ってほしい理由(ITmedia NEWS)
レンズ一体型カメラ……いわゆるコンパクトデジタルカメラ(以下、コンデジ)が復活しつつあるという話をちょくちょく聞くようになった。今回はその現状を確認しつつ、コンデジ黄金時代をほうふつとさせる高倍率ズーム機を出し続けていたパナソニックの最新機種「DC-TZ99」を触ってみる。 【画像26枚】「レンズ一体型デジタルカメラ」の月間推移。今年は各月ともに23年や24年を上回っているのが分かる IXYが復活して話題の9月のキヤノンの新製品発表会では、CIPA(日本カメラ工業会)の統計データを元に、市場が上向きになっているというところから始まった。実際にCIPAが後悔している統計データを元に、レンズ一体型デジタルカメラのワールドワイドでの出荷台数をここ10年グラフにしてみたのがこちらだ。 2009~11年をピークにその後急激に落ち込んだので、24年でちょっと増えたからといって復活しつつあるといえるのか? と思うのだけれども、25年7月までの月ごとの推移がCIPAのWebサイトに出ていたのでそれを見ると、確かに24年より25年の方がすべての月で伸びてる。このままいけば、24年よりさらに増えるのは確実だろう。 復活しつつある、といえるかも。 Vlog仕様の製品(Powershot VやZVシリーズ)も含んでの数字だが、スマホとミラーレス一眼の間を埋める存在としてコンデジに期待しているので気になるのだ。 では、かつての主力であり、コンデジの代表ともいえるコンパクトな高倍率ズームはどうなっているのか。 実はここ数年、キヤノンが「IXY 650m」を発表するまではパナソニックだけが着々とそのコンデジ黄金時代をほうふつとさせる高倍率ズーム機を出し続けていたのだ。
その最新モデルが、2月に発売された「DC-TZ99」である。 ベースになっているのは17年の「DC-TZ90」。それが19年の「TZ95」、22年の「TZ95D」を経て、TZ99に至ったのである。 四角くてシンプルなボディにLEICAブランドの30倍ズームレンズを搭載。うにーと伸ばすとここまで伸びる。35mm判換算で24-720mmだ。 高倍率なだけにレンズはちょっと暗めでF3.3-6.4。 イメージセンサーはかつてのコンデジでよく使われていた1/2.3型で約2030万画素となる。 30倍ズームってどんなか。いつものガスタンクで撮るとこうである。拡大して見るとディテールのざらつきはあるけれども、コントラストもあって色や階調は素晴らしい。 24mm相当は現在スマートフォンのメインカメラで使われる画角とほぼ同じ。そこから光学30倍ズームである。 720mmあれば何が撮れるかというと、例えばカワセミである。シャッタースピードは1/125秒。でも手ブレ補正がけっこう強力なのでブレない。 カメラがコンパクトでEVFもないので720mm相当ともなるとちょっと手が動いただけで被写体を見失いがちだが、そのときは「ズームバックボタン」を押す。 すると押している間だけ広角側にズームバックしてくれるのでそれで被写体を中心に置いてまた指を離せばいい。 超望遠系コンデジでは欠かせない機能だ。 望遠端での撮影最短距離は2mなので、ちょっと遠いなと思ってもぐっとズーミングすれば撮れたりするし、ここまで望遠になると背景も大きくぼける。 コンパクトな小さなカメラでここまでの望遠を楽しめるってのが往年の定番高倍率ズームコンデジの楽しさだったのだ。