巨人47億円助っ人が守る流儀 開幕29戦"0封"も「過信しない」…来日8年で掴んだ居場所
■巨人 5ー2 西武(21日・東京ドーム)
巨人のライデル・マルティネス投手は21日、西武戦(東京ドーム)で救援登板し、開幕から29試合連続無失点をマーク。9回の1イニングを3人で抑え、今季24セーブ目を挙げた。昨オフに4年総額3250万ドル(約47億5000万円)と報じられた超大型契約で加入。きっちり結果を出す秘訣は何か。
いつも通りの仕事ぶりだった。マルティネスは3点差の9回からマウンドへ。先頭ネビンを153キロで右飛に打ち取ると、山村と源田を空振り三振に。144キロのスプリット、155キロ剛速球と決め球の威力も満点だった。
「普段通りアウトをしっかり取ること。チームは7回に逆転してくれたので点差を守る意識でした。打線も良かったと思いますけど、その前に投げたリリーフ投手、石川も大勢も点差を広げさせなかった。全員がしっかり役割を果たした結果だと思います」
登板後も特に興奮しているというわけでない。実に淡々とした口調だった。
開幕からの連続試合無失点を29試合に伸ばした。2023年に福田俊(日本ハム)が記録したNPB歴代3位に並び、2016年田島慎二(中日)のセ・リーグ記録にもあと2に迫った。文句なしの働きぶりだが、「無失点のプレッシャーはないのか」。日々の心構えを打ち明けた。
「特にプレッシャーは感じてないです。というか、プレッシャーはないです。そもそも必ず点を取られる時は来るので。点を取られない投手はいないですし、当然、打者はバットを持って向かってくるわけで。打ちたいと思って。いつかは点を取られると思っていますから。だから点を取られないというプレッシャーはないです」
「どの捕手でも問題ない。全員がいい捕手なので」
この日は3点リードの場面だった。クローザーは緊迫した試合展開でないと失点する――。“球界あるある”だが、マルティネスは、どんな試合展開でも左右されない心づもりでいるという。
「3点差あっても、常に1点差という思いでマウンドに上がるようにしてます。自分を過信しないように言い聞かせている。それが、こういういい結果につながる、1つのポイントだと思っています。過信はしすぎないように。そこを気をつけています」
この日は20日に続いて、8回から途中出場した小林誠司とのバッテリーを組んだ。5月24日に昇格し、この日は4試合目の出場だった。
「どの捕手でも問題ない。全員がいい捕手なので。小林選手は1軍に来てから試合中のブルペンで何回か捕ってもらっていた。だから自分のボールを知ってくれてました。あと試合中は自分が投げたい、感触のいい球を自分で選んで。彼も感じてリードしてくれている」
22日の西武戦は3連勝の期待がかかる。ここまで3連投はないが、マルティネスは「明日どういう状態か。球場に来た時に確認してからになると思います」と前を向いていた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)