SIEが、なんと中国テンセントを提訴。『Horizon』そっくりな機械獣オープンワールドを巡って

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)がテンセントを相手取り、訴訟を提起していたことが明らかとなった。

今回SIEはカリフォルニア州北部地区連邦裁判所にて、著作権および商標権侵害を主張しテンセントを提訴した(資料PDF)。争点となっているのはテンセント傘下のデベロッパーPOLARIS QUESTが手がけるゲーム『LIGHT OF MOTIRAM』だ。同作は2024年11月に発表されたマルチ対応オープンワールドサバイバルゲーム(関連記事)。メカが野生生物のように闊歩する文明崩壊後の世界を舞台とすることが明かされていた。

一方で同作の発表後すぐさま、SIE傘下のGuerrilla Gamesが手がけた『Horizon』シリーズに類似していることから波紋を広げていた。同シリーズは、シングルプレイのオープンワールド・アクションRPG。これまで第1作『Horizon Zero Dawn』とその続編『Horizon Forbidden West』のほか、関連作品も展開。かつての文明が失われ機械獣が住まう世界を舞台に、主人公である狩人アーロイの旅路が描かれてきた。

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文明崩壊後の自然をメカが闊歩する『LIGHT OF MOTIRAM』は、『Horizon』シリーズと舞台設定が類似している。また『LIGHT OF MOTIRAM』はキービジュアルも、『Horizon Zero Dawn』に似ていることが物議を醸していた。

そうしたなかで今回SIEにより、『LIGHT OF MOTIRAM』が著作権および商標権を侵害しているとしてテンセントが提訴された格好だ。裁判所に提出された文書ではSIE側の代理人により、同作が『Horizon』シリーズの要素をコピーした「slavish clone(独創性のないクローン)」であり、消費者を混乱させる恐れがあると主張。SIEは『LIGHT OF MOTIRAM』のリリース差し止めや損害賠償を求めている。

なお文書のなかでは、2024年にはテンセントからSIEに対し、『Horizon』の新作ゲームを共同開発する提案があり、SIE側がこれを拒否していたことも明かされた。その後そうした構想に基づき、テンセント側が独自開発したのが『LIGHT OF MOTIRAM』だったのかもしれない。いずれにせよ、今後の裁判の動向は注目される。

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