『すべてはマリノスのために』を体現したエウベルとの別れ。 ピッチ内外でクラブに大きな利益をもたらした偉大な選手だ

FWエウベルが鹿島アントラーズに完全移籍することが正式発表された。

今季序盤に見せていた姿勢と態度が『すべてはマリノスのために』を体現していた。不可解な起用法で試合に出場できなくても、一度たりとも練習を休むことなく汗を流し続けた。厳しい現状にも愚痴や文句をこぼさず、チームの和を大切にする。仲間から慕われ、ファン・サポーターから愛された正真正銘の漢だ。

チームの成績が芳しくないタイミングで同じカテゴリーのクラブへ移籍するのは、本人も非常に心苦しいだろう。実際に、最後の最後まで悩み、結論はすぐには出なかった。でも彼にも家族があり、生活があり、キャリアがある。この世界に避けられない別れがあるとすれば、それが背番号7との別離だった。

今回の移籍はマリノスとの契約期間が残っているため、移籍違約金が発生する。33歳という年齢を踏まえると高額な数字にはならないが、残存期間分の年俸を浮かせるだけでも大きな意味がある。ピッチ内外でクラブに大きな利益をもたらした偉大な選手だ。約4年半の月日をともに戦ってリーグ制覇にも貢献した功労者に、最大限の感謝を示したい。

先発出場している近況と残留争いを戦っている最中での放出を疑問視する声は当然ある。

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