【一問一答】鈴木芽吹、初の世陸終え晴れやか「あれだけの歓声を浴びて走れたことがすごく幸せ」 世陸経験を「田沢さんと今度話せるのがちょっと楽しみ」/世界陸上

男子1万メートル 水をかけながら力走する鈴木芽吹=国立競技場

陸上・世界選手権第2日(14日、東京・国立競技場)男子1万メートル決勝が行われ、ジミー・グレシエ(フランス)が28分55秒77で優勝した。鈴木芽吹(トヨタ自動車)が29分33秒60の20位で日本勢最上位。昨夏のパリ五輪代表の葛西潤(旭化成)は29分41秒84で22位だった。以下がレース後の鈴木の一問一答。

--レースを振り返って

「まずは国立であれだけの歓声を浴びて走れたことがすごく幸せでしたし、まずこの舞台に立てたことはすごく自分自身を褒めたいと思うし、うれしい気持ち。レース内容についてはスローになると思っていたが、あそこまでとは思っていなかった。その中でも落ち着いてやって葛西さんが途中前に出たとき、僕は前に出る予定はなかったが自国開催で会場がすごく盛り上がっていて、このまま何もせずに下がっていくよりはしっかりたくさん見に来てくださっている方にもいいところを見せようと思って、ちょっとだけですけど前に出たりした。そういう積極性を前半出せたのは良かった。ただ勝負なのでそこで後半下がっていてしまって、上げ下げがある中で何とかついていったが、葛西さんが前に行っている中で自分はなかなか前にいけなかった。順位は勝ちましたが、今日のレースは、葛西さんとの勝負と考えたら完全に僕の負けだと思う。世界との差を見てわかる通り本当に悔しい」

--前に行けなかったのはのまれたからか

「特に雰囲気にのまれたり周りの選手にのまれたのは全くなくて、自分でも程よい緊張で本当に楽しみながらレースを迎えられた。マインド的にもフィジカル的にもすごくいい状態で迎えられたが、やっぱり5000メートルまではそれなりだったっがそこからが上げ下げがる中できつくなってしまって。8000メートルくらいまでは行けたが、本当に後ろにつくのが精いっぱいになってしまった」

--足に来てしまった

「やっぱり今年になって自分でも暑さになかなか対応できていない。自分でも対策してきたつもりだけど、そこがまだちょっとできていなかった」

--実際走って感じた差

「今回はぎりぎりでの出場となったので、何かで数字で結果を出したいというより走ることで何か感じたり、得たりというのを一つでも多く持って帰ろうと強く思って走った。それに関してはいろいろ感じられたので、この後、体を休める中でしっかり自分の中でいかに落とし込めて練習やレースに生かせるかが大事。ただ走ってみて数字で結果を出したい欲が出てきているので、もう一回ちゃんと練習を積んで結果を積んで代表に選んでもらって北京やロサンゼルスでもう一回スタートラインに立って挑戦したい」

--一つ上げるなら

「日本だとあれだけペース変化があるレースはほとんどない。正直全然つけないペースではないのにやっぱりきつくなってしまう。僕も練習の中で変化走を取り入れているが、あそこまで激しくできないのでそういうのもやっていかないといけない。そもそも自己ベストが違うのでその差は絶対ある。まずは今年中に26分、まずは記録を出したい」

--先輩の田沢廉さん(トヨタ自動車)も世陸を経験。アドバイスなどあったか

「田沢さんには決まる前から僕が選手権を勝ったくらいからすごくいろいろアドバイスをしてくれて、僕がずっと田沢さんの背中を追いかけてやってきた。そういう中で一緒に走ることはできなかったが、そういった面で背中を見せてくれたのは僕にとっては心強い存在だった。今までは田沢さんの話を人ごとというか、自分が経験していないので聞いているだけだったが、自分も感じて話せるので、田沢さんと今度話せるのがちょっと楽しみ」

--具体的にどういったアドバイスをもらった

「レースがどうこうより持っていき方、レースの流れ、国際レースだとこういうことがあるよとか。そういう感じ」

--この後、800メートルの落合晃(駒大1年)のレースもある

「年は先輩だが、実力というか実績は向こうが上。自分が思うように思い切ってやってほしい。僕が見ている中ではものすごく調子がよさそう。本当、日本記録を期待しています」

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