千葉百音“自己ベスト”74・72点「常にエッジの心の声を聞きながら」ド緊張で「最初フリーのポジションに」全日本女子SP一問一答

▽全日本選手権 女子SP(12月20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)

 昨年大会2位の千葉百音(木下アカデミー)は国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自己ベストを上回る74・72点をマークし3位発進。ルッツ―トウループの連続3回転、2回転半、3回転フリップを成功。ステップ、スピンでもすべて最高のレベル4をそろえた。千葉の演技後の主な一問一答は以下の通り。

 ―演技を振り返って

 「自分で思ってたよりだいぶ緊張してたらしくて、最初フリーのポジションについちゃったところで自分が『やばいやばい、落ち着け落ち着け』って感じで。結構心境としては、焦ってるところからのスタートだったんですけど、ちゃんとノーミスで終えられたのが結構良かったのかなと思います」

 ―焦りはどのような点から?

 「いろんな不安が混じって緊張のような感じで、焦りというか。その辺りの、自分のいつもの流れが少し他の緊張の波とかに流されそうな感じだったのが、結構焦りになったかもしれません」

 ―非公認だが自己ベスト

 「自分でもルッツ―トウとか、ちょっと怪しかったかなってところなんですけど。そこも大丈夫でレベルも取れていたので点数につながったのかなと思うんですけど、フリーでもっと一つ一つのジャンプをしっかりクリーンに降りたいですし、すごく緊張すると思うんですけど、その中でも自分の波を常に保って、波に乗って自分の演技ができればなと思います」

 ―ファイナルから2週間

 「今シーズンは2週間空きの試合が4連続の中で、自分なりに帰ってきて、日本にいる時間が1週間で試合に行くっていうパターンがだんだんつかめるようになってきたのかなという印象なので、その流れで今回もどのくらいまで練習で自信がつく練習をしたらいいのかとかっていうのもだんだん分かるようになってきたと思うので。その辺りをしっかり確認するという感じで、フリーも臨みたいです」

 ―フリーに向けて

 「氷の状態は今日の男子の競技を見てても、みんな3回転半で前降りとか、アクセルで前降りで転んだりとかっていう選手が多かったので、氷のコンディションが今後変わる可能性もあると思うので、それに柔軟に対応していけるように、どんな氷でもノーミスの演技ができるように、それをしっかり明日の練習も敏感に感じ取って調整しながらっていうふうに思ってます」

 ―どこで落ち着きを取り戻した?

「う~ん。フライングキャメル終わった後の振り向くところで、ちょっと自分の流れちゃんと戻せたかなって感じなので。今日の演技はフリップが1番落ち着いて跳べたって感じです。もうアクセルとかほんとに空中で死ぬかと思いました」

 ―笑顔は意識して?

 「そうですね。結構緊張してるなって感じだったので、ファイナルでちょっと硬くなりすぎちゃったってところを頭に焼き付けながら、笑顔とか表現とか、のびのび楽しそうに踊ってるっていうところだけはしっかり表現したいなって思っていたので、そこがちゃんとできたかなって感じです」

 ―演技後、若干首をかしげていたように見えたが?

 「ほんとに6練からダブルアクセルが結構危なかったので、演技中に危なかったんですけど、なんとか降りれたってところで、そこがちょっと不安要素でもありって感じで。はい」

 ―今までスタート位置間違えたことは?

 「初めてです。めっちゃ焦りました」

 ―ミラノ五輪にロシアの選手が出られるようになった

 「そうですね。ロシア選手権が今回のこの全日本選手権とほぼ同日程で開催されてて、インスタとかでロシアのニュースを翻訳しながら、読みながら、ロシアが来るのか来ないのか、『ああ!ISUが許可した!』みたいな感じだったので。そうですね。本当に4回転をポンポン跳ぶ選手がたくさん出てくると思うので、自分が今は、完全に勝てる自信がないんですけど、1年後にはやっぱり日本代表として胸を張って自分の目標とする試合に出場する自信が常に備わってないといけないので。本当に今の自分に足りないのは、ジャンプ力だとか、4回転の大技を、もちろん怪我しないように練習するのが大事なんですけど、大事だし、他のトリプルジャンプも安定させるのが本当に大事なんですけど。やっぱり入れていかないといけないなっていうのは強く感じました。

 ―中1日はどう過ごす?

 「ファイナルの時は何もしなさすぎたので、今回はちょっと動くけど、まあやっぱり、この年の瀬の大会、ちゃんとフリーも満足のいく試合で終えたいので、フリーに全集中しながら明日1日を過ごしたいです」

 ―長期的視点で考えていること

 「このフィギュアスケートの競技は本当に、0コンマ1秒のタイミングがずれただけでジャンプ転んだり降りたりするっていう世界なので、もう自分の感覚にさらにさらに敏感になって、それに即座に対応できる実力っていうのが今以上に必要になってくると思うので。ほんとに怪我とかも一瞬ですし、自分の今の立場がいつ落ちてもおかしくないっていう、そういう接戦の女子の今の日本の状況なので、抜かりなく、常に抜かりなく演技ができるようにっていうのをまず第1目標にこれからも努力していきたいです」

 ―最初焦ったけど乗り切れた

 「自分の中で毎試合毎試合違う、微妙に違う緊張の仕方をしてるので、毎回ドキドキなんですけど。その不安の乗り越え方がちょっとずつ分かってきたような、でもやっぱり分からないようなって中で、耐えて演技してるって感じです」

 ―接戦を1歩抜き出るために必要なものは?

 「そうですね。やっぱり最後、本番で、先ほども申し上げたように0・01コンマ、そのタイミング、緊張の中でも合わせるっていう力が本当に些細なことだと思うんですけど、それが大きなその差に繋がるので。今回6回目の出場なんですけど、それは毎回ドキドキしながら、今だ!って感じで。常にエッジの心の声を聞きながらやってます」

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