実は森保J経験者…浦和ルーキーDF根本健太が個性全開のJ1初先発&完封勝利!! 左足キックで埼スタ魅了「チャレンジしていかないと何も変わらない」
DF根本健太
[10.4 J1第33節 浦和 1-0 神戸 埼玉]
キャラクター全開の90分間だった。浦和レッズの大卒ルーキーDF根本健太は4日の神戸戦で、DFダニーロ・ボザの出場停止に伴ってJ1リーグ初先発。立ち上がりから左足での縦パスやロングフィードで観客を沸かせると、公式登録184cmという上背以上に強い空中戦でも異彩を放ち、公式戦7試合ぶりの白星に大きく貢献した。
チームが公式戦6試合勝利のないなかで巡ってきた初先発のチャンス。“代役”とはいえども、ミッションは明白だった。 「ここ最近勝ててないということで、自分が出るにあたってここで流れを変えられるようなプレーをして、チームの勝利に貢献できるようにというのは考えながら今日の試合までの練習で意識していた」(根本) パリ五輪世代の活動を経験した“世代別代表”CBとして今季、流通経済大から鳴り物入りで加入したが、夏のクラブW杯までは試合のメンバー入りすらできなかった根本。8月9日のJ1第25節・横浜FC戦(◯2-1)で初めて国内試合でベンチ入りし、後半39分からの出場でJ1デビューを果たしたが、その後もルヴァン杯準々決勝・川崎F戦のみの出場にとどまっており、難しい局面でのJ1初先発に重圧はあった。 それでも「プレッシャーはもちろんあったけど、そんなのに負けていたらプロサッカー選手として全然ダメ。メンタル面で負けないように、ピッチに立って自分のプレーを出せたらと思っていた」という根本。開始1分には「ファーストプレーで負けちゃいけないと思っていた」という場面でFWエリキに競り勝ち、冷静なヘディングクリアでピンチを脱すると、そこから次々に自分の持ち味を出していった。まずは前半9分、矢のようなロングフィードを右サイド裏に蹴り込み、DF石原広教のオーバーラップをお膳立て。直後には相手のプレスをかいくぐる縦パスをMFマテウス・サヴィオの足元にピタリと通した。さらに同10分には、相手ゴールキックの空中戦でFW大迫勇也に完勝。まさに“自己紹介”にふさわしい1分間でスタンドを魅了していた。
根本にとって、左足での配球力は「それが自分の特徴でやってきているので、出せなければ自分の良さは出せない」というほどの武器。「どんどんチャレンジしていかないと何も変わらない」という決意も込め、臆することなく繰り出した。また空中戦も「前から特徴としてやっているので粘り強くできたかなと思う」と手応えを重ねていたようだ。 その後は神戸の猛攻に押し込まれる場面もあったが、相方のDFマリウス・ホイブラーテンとの好連係を続け、長い時間にわたって主導権を譲り渡すことはなかった。その結果、1-0の完封で7試合ぶり白星。根本は「90分間出場して勝てたというのは自分にとってもプラスだし、もちろんチームにとってもプラスになったと思う」とホッとした表情を浮かべた。 試合後には報道陣から日本代表入りへの思いを問われ、「大学の時から代表に入らせていただいたというのがあったので入りたいという目標はある」と力強く言い切った根本。実は大学時代の2022年1月、日本代表が国内組合宿で流通経済大とトレーニングマッチを行った際、急遽日本代表側で出場してFW上田綺世らと共演したことがある“第1次森保ジャパン”の経験者だ。
2022年1月、国内組合宿で日本代表選手たちに混じってトレーニングマッチに出場した
あれから3年半、ようやくJ1リーガーとしての大きな一歩を踏み出した。「(当時から)やれるというのは思っていたけど、やれるということで天狗になったりしたらサッカー選手としてダメだし、プラスに変えていかないといけない。今年は出られない時間が長いけど、(今の状況は)その中でも自分がやることを継続してきているからかなと思う」。これからも謙虚に歩み続け、高みを目指していくつもりだ。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中