日本人、Steamレビュー厳しすぎ…?日本語対応されないゲームはそのせいかも―再びSNS賑わす日本人ゲーマー悪玉論
先日、Steamにおいて行われたレビューの表示仕様変更。利用者の言語圏を優先して切り分けた数字を表示するようになったこの仕様変更により、可視化されやすくなった「日本語圏の評価」をめぐり、SNSでゲーマーたちの間に、再び新たな議論と「まことしやかな事実」として流布される噂が表れているようです。
そもそもどんな話ですかこれ?
この議論は、(特に有名タイトルの)日本語圏評価の好評比率が多言語圏と比べて統計上低いことに着目し、それが何か日本人ならではの精神性に起因しているのではないか、ひいてはゲームの日本語展開において大きな問題を生んでいるのではないか、とするものです。
例を挙げると、「日本語版をリリースしたとしてもその大半が悪評価となるため、全体のレビュースコアに対してはマイナス影響になる。そのため日本語版のリリースは各社が避けているものだ」というような内容です。
しかしながらこれについては、「匿名の関係者が言っていた」などの具体例を欠くSNS上の証言で構成されているため、少なくとも記事執筆時点では「まことしやかな事実の噂」でしかないのが実情です。
結局のところ
日本語圏評価の好評比率については、本来、日本における受容層に大きな影響を与えるゲームのジャンルであったりアートスタイルであったり、その全世界における全体評価の量であったり様々な別のデータと組み合わせて多角的に検証されるのが適切ですが、まだそれらまでを含めた研究については公開データとしては進んでいません。
たとえば、
『アサシン クリード オリジンズ』106,554件に対し、387件 やや好評(全体レビューの0.3%以下)
『PEAK』93,795件に対し、335件 非常に好評(全体レビューの0.3%以下)
『Doki Doki Literature Club Plus!』26,324件に対し、255件 非常に好評(全体レビューの1%以下)
『魔法少女ノ魔女裁判』4,025件に対し、1,253件 圧倒的に好評(全体レビューの25%以上)
これらをすべて同じ統計上に一律で載せるのが正しいか、という話ですね。
今回の議論や、今後も同様に再燃し続ける類似の議論を通して研究の芽が生まれることが望まれるところです。
一方で……
個人開発者、それもひとつひとつのレビューに一喜一憂する、そんな規模の開発者にはレビューのもたらす影響は決して無視できないものです。
今回の議論でも「楽しめたゲームには無言を持って評価にするのではなく、実際に評価を与える」ことを勧めるユーザーの姿が目立ちました。編集部ではただ「面白かった」以上のことを書くための思考研究なども行っているのでご参考に。
ゲムスパ調べでは……
なお、編集部では過去の議論の際より、このような話題が再燃する可能性も考慮して「注目インディーミニ問答」コーナーの各デベロッパーインタビューにおいて「日本語対応の予定」を2025年現在でも可能な限り聞いています。併せてご覧ください。
注目インディーミニ問答同企画については2023年にも統計の公開を行っていますが、数百件は下らないその返答のなかには、「日本人は評価が厳しいため最善を尽くして後回しにする、あるいはそのために予定していない」といった回答はほぼ皆無であることは再度記しておきます。
なお、同企画では各タイトルについて、配信時の収益化の可否なども聞いているため、気になるタイトルがあればそちらもチェックです。
《ライター:Arkblade,編集:Akira Horie》