【ボクシング】松本流星プロ7戦目で世界王座獲得 高田勇仁担架で運ばれ試合続行不可能
<プロボクシング:WBA世界ミニマム級正規王座決定12回戦>◇14日◇名古屋・IGアリーナ
WBA世界ミニマム級2位松本流星(27=帝拳)がプロ7戦目で世界王座獲得に成功した。同級1位高田勇仁(27=ライオンズ)との同級正規王座決定戦に臨み、5回1分26秒で高田が試合続行不可能となり、負傷判定3-0で勝利した。今年7月、プロ10戦目で世界王座を獲得したWBA世界ライトフライ級王者高見亨介(23)を抜き、名門の所属ジム最速で世界ベルトを手にした。
松本は元アマボクサーの父広さんの勧めで4歳から地元の高砂ジムでボクシングをはじめた。中学1年の春休みに帝拳ジムに1週間、スパーリング合宿し、西岡利晃、山中慎介の世界王者2人と間近で練習したことを契機に「ここでやりたい」と同2年で地元の兵庫から父と上京。市立中学に転校した。強豪の日の出高から日大に進学し、東京五輪出場を目指していたが、自らの階級が削減されて五輪出場できなかった。同年の全日本選手権制覇などアマ4冠と実績を残した後、23年2月にプロ転向。4戦目の昨年9月、日本同級王座を獲得し、世界初挑戦のチャンスを手にしていた。
アマチュア77勝15敗と豊富なキャリアを持つ松本は拳を交えた「たたき上げ」高田に対し「エリート」と比較された。中学時代もスパーリングで高田と拳を交えた経験がある松本は、アマ時代に元世界王者となる重岡兄弟(兄優大、弟銀次朗)に対して10戦で1勝9敗という厚い壁に阻まれた経験がある。松本は「自分もアマチュアの時に全部が全部良い成績ではなく、負けた悔しさ、1番になれない悔しさも知っている」とハングリーな気持ちを強調していた。
8月2日、東京・後楽園ホールの興行で東洋太平洋スーパーフェザー級王座に挑戦した日大時代の先輩、神足茂利さんがリング事故で硬膜下血腫となって開頭手術。経過観察中に死去した。今回は神足さんのロゴをTシャツやトランクスなど試合コスチュームに着けし、リングに上がるという。松本は「力を貸してという意味ではないですけど、明日もリングで一緒に戦おうと思って」と明かした。
名古屋市は神足さんの出身地でもある。今回は減量で疲労した肉体を癒やすための雑炊などを神足さんの兄昌治氏(松田ジムトレーナー)を通じて用意してもらった。松本は「気持ちも入ります」と気合十分でリングに立った。
亡き先輩の思いも背負いながら、心身ともに最高潮で臨んだ世界初挑戦だった。松本は「アマチュアも長くやってきて年齢的にも良い時期だと思っている。チャンスが来たら1回で取らないといけない。ここからビッグなな舞台がくると思う。夢のステージに上がれるように頑張りたい」と強い決意を胸に大舞台に立っていた。
■ラウンドVTR■
1回 互いにジャブの差し合い。松本は左ストレートを顔面にたたき込んだ。右ジャブも的確。中盤から高田は警戒して手数減る。日刊採点は松本の10-9
2回 松本は重圧をかけてワンツー放つ。高田は飛び込んで連打も松本はガード。中盤に松本の右フックが決まり、高田はバランス崩す。終盤に打ち合う場面も。日刊採点は松本の10-9
3回 序盤、松本がワンツー攻撃。なかなか自分の距離になれない高田はカウンター狙いも不発。松本が主導権を譲らなかった。日刊採点は松本10-9
4回 序盤に松本が連打から右フックを決めた。中盤には左アッパーも決めた。終盤もプレッシャーをかけて左ストレート、アッパーを放つ。高田の左のこめかみが赤く腫れてきた。日刊採点は松本10-9
5回 松本が積極的に連打を放つ。高田は受け身にまわっている。中盤にヘッドバッティングで高田がダウン。立てない。レフェリーが試合を止めた。高田は担架で運ばれた。5回1分26秒、負傷判定で3-0で松本の勝利。ジャッジは1人が50-46、2人が50-45
◆松本流星(まつもと・りゅうせい)1998年(平10)5月14日、兵庫・高砂市生まれ。4歳の時、父広さんに勧められ、ボクシングを始め、高砂ジムで練習開始。中学1年の春休みに1週間スパーリング合宿したことを契機に同2年から上京。帝拳ジムで練習開始。日出高から名門・日大に進学。21年に三重県スポーツ協会に入りし、全日本選手権、国内制覇などアマ4冠。アマ戦績は79勝(13KO・RSC)16敗。22年にB級(6回戦)でプロテスト合格。23年2月、3回KO勝ちでプロデビュー。24年9月、プロ4戦目で日本王座獲得。家族は両親。身長160センチの左ボクサーファイター。
◆帝拳ジム輩出の世界王者(JBC登録のみ) 大場政夫、浜田剛史、ホルヘ・リナレス、西岡利晃、粟生隆寛、下田昭文、山中慎介、五十嵐俊幸、三浦隆司、カルロス・クアドラス、木村悠、村田諒太、尾川堅一、岩田翔吉、高見亨介、松本流星
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<プロボクシング:WBA世界ミニマム級正規王座決定12回戦>◇14日◇名古屋・IGアリーナ
WBA世界ミニマム級2位松本流星(27=帝拳)がプロ7戦目で世界王座獲得に成功した。同級1位高田勇仁(27=ライオンズ)との同級正規王座決定戦に臨み、5回1分26秒で高田が試合続行不可能となり、負傷判定3-0で勝利した。今年7月、プロ10戦目で世界王座を獲得したWBA世界ライトフライ級王者高見亨介(23)を抜き、名門の所属ジム最速で世界ベルトを手にした。
松本は元アマボクサーの父広さんの勧めで4歳から地元の高砂ジムでボクシングをはじめた。中学1年の春休みに帝拳ジムに1週間、スパーリング合宿し、西岡利晃、山中慎介の世界王者2人と間近で練習したことを契機に「ここでやりたい」と同2年で地元の兵庫から父と上京。市立中学に転校した。強豪の日の出高から日大に進学し、東京五輪出場を目指していたが、自らの階級が削減されて五輪出場できなかった。同年の全日本選手権制覇などアマ4冠と実績を残した後、23年2月にプロ転向。4戦目の昨年9月、日本同級王座を獲得し、世界初挑戦のチャンスを手にしていた。
アマチュア77勝15敗と豊富なキャリアを持つ松本は拳を交えた「たたき上げ」高田に対し「エリート」と比較された。中学時代もスパーリングで高田と拳を交えた経験がある松本は、アマ時代に元世界王者となる重岡兄弟(兄優大、弟銀次朗)に対して10戦で1勝9敗という厚い壁に阻まれた経験がある。松本は「自分もアマチュアの時に全部が全部良い成績ではなく、負けた悔しさ、1番になれない悔しさも知っている」とハングリーな気持ちを強調していた。
8月2日、東京・後楽園ホールの興行で東洋太平洋スーパーフェザー級王座に挑戦した日大時代の先輩、神足茂利さんがリング事故で硬膜下血腫となって開頭手術。経過観察中に死去した。今回は神足さんのロゴをTシャツやトランクスなど試合コスチュームに着けし、リングに上がるという。松本は「力を貸してという意味ではないですけど、明日もリングで一緒に戦おうと思って」と明かした。
名古屋市は神足さんの出身地でもある。今回は減量で疲労した肉体を癒やすための雑炊などを神足さんの兄昌治氏(松田ジムトレーナー)を通じて用意してもらった。松本は「気持ちも入ります」と気合十分でリングに立った。
亡き先輩の思いも背負いながら、心身ともに最高潮で臨んだ世界初挑戦だった。松本は「アマチュアも長くやってきて年齢的にも良い時期だと思っている。チャンスが来たら1回で取らないといけない。ここからビッグなな舞台がくると思う。夢のステージに上がれるように頑張りたい」と強い決意を胸に大舞台に立っていた。
■ラウンドVTR■
1回 互いにジャブの差し合い。松本は左ストレートを顔面にたたき込んだ。右ジャブも的確。中盤から高田は警戒して手数減る。日刊採点は松本の10-9
2回 松本は重圧をかけてワンツー放つ。高田は飛び込んで連打も松本はガード。中盤に松本の右フックが決まり、高田はバランス崩す。終盤に打ち合う場面も。日刊採点は松本の10-9
3回 序盤、松本がワンツー攻撃。なかなか自分の距離になれない高田はカウンター狙いも不発。松本が主導権を譲らなかった。日刊採点は松本10-9
4回 序盤に松本が連打から右フックを決めた。中盤には左アッパーも決めた。終盤もプレッシャーをかけて左ストレート、アッパーを放つ。高田の左のこめかみが赤く腫れてきた。日刊採点は松本10-9
5回 松本が積極的に連打を放つ。高田は受け身にまわっている。中盤にヘッドバッティングで高田がダウン。立てない。レフェリーが試合を止めた。高田は担架で運ばれた。5回1分26秒、負傷判定で3-0で松本の勝利。ジャッジは1人が50-46、2人が50-45
◆松本流星(まつもと・りゅうせい)1998年(平10)5月14日、兵庫・高砂市生まれ。4歳の時、父広さんに勧められ、ボクシングを始め、高砂ジムで練習開始。中学1年の春休みに1週間スパーリング合宿したことを契機に同2年から上京。帝拳ジムで練習開始。日出高から名門・日大に進学。21年に三重県スポーツ協会に入りし、全日本選手権、国内制覇などアマ4冠。アマ戦績は79勝(13KO・RSC)16敗。22年にB級(6回戦)でプロテスト合格。23年2月、3回KO勝ちでプロデビュー。24年9月、プロ4戦目で日本王座獲得。家族は両親。身長160センチの左ボクサーファイター。
◆帝拳ジム輩出の世界王者(JBC登録のみ) 大場政夫、浜田剛史、ホルヘ・リナレス、西岡利晃、粟生隆寛、下田昭文、山中慎介、五十嵐俊幸、三浦隆司、カルロス・クアドラス、木村悠、村田諒太、尾川堅一、岩田翔吉、高見亨介、松本流星