ウィトコフ米特使が来週モスクワ訪問、プーチン氏と会談へ-露当局者

トランプ米大統領のウィトコフ特使は来週、ウクライナ問題を扱っている他の米当局者とともにモスクワを訪問すると、ロシア大統領府高官が明らかにした。トランプ氏はロシアのウクライナ侵攻終結に向けた合意をあらためて働き掛けている。

  ウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)は26日、ソーシャルメディアのテレグラムに投稿されたインタビュー動画の中で、「ウィトコフ氏に関しては、来週のモスクワ訪問で暫定的に合意していると言える。同氏と、ウクライナ問題に関与している米政権関係者の数人だ」と述べた。

  またロシア国営タス通信はウシャコフ氏の話として、ウィトコフ氏がモスクワを訪問するならプーチン大統領と会談することになるだろうと伝えた。

  トランプ氏はこれより先、ウィトコフ氏を恐らく来週モスクワに派遣し、プーチン氏に会談させる予定で、これに娘婿のジャレッド・クシュナー氏も同行する可能性があると述べていた。アブダビでロシア側と会談したドリスコル米陸軍長官はウクライナを訪問すると、トランプ氏は説明した。

  トランプ氏はまた記者団に対し、合意に期限はないと発言。その後ソーシャルメディアで、合意が少なくとも最終段階に入るまでロシアとウクライナの首脳には会わないと表明した。

  ウクライナ和平を巡る外交活動が活発化し、ホワイトハウスは協議への楽観を示しているが、欧州は懸念を抱えたままだ。米国は協議の進展を強調するものの、以前と同じ根本的な問題に突き当たっている。すなわち、ウクライナが受け入れられる条件はロシアにとって受け入れられず、その逆もそうだということだ。

  事情に詳しい関係者によると、ウクライナの西側支援国で構成される「有志連合」の首脳が開いた25日夜の電話会談では、大半がプーチン氏は即時停戦に関心を持っていないとの見方で一致した。この会談にはウクライナのゼレンスキー大統領、ルビオ米国務長官も出席した。

  ブルームバーグはウィトコフ氏がウシャコフ氏に対し、トランプ氏への接し方を助言し、ゼレンスキー氏がホワイトハウスを訪問する前にトランプ氏とプーチン氏の電話会談を設定するよう働き掛けていたことを報じた。

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  ウシャコフ氏はウィトコフ氏とは頻繁に連絡を取っていると認め、「われわれの会話内容は部外秘であり、これらについてコメントしない」と発言。情報の出所については、「盗聴されているのだろうか。分からない。情報を漏らす者もいれば、盗聴する者もいる。だが、われわれではない」と語った。

  また、米国との関係は「現在構築中で、困難を抱えながらも、電話などでこうした接触により構築されている」と述べた。

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原題:Russia Says US Envoy Witkoff to Visit Moscow Next Week (1)(抜粋)

— 取材協力 Alberto Nardelli

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