メルカリ「Switch 2転売反省」も、SNSには「今さら遅い」「無法地帯」の声 完全解決は難しいか

 なぜメルカリは、すぐに出品禁止という強いカードを切らなかったのだろうか。その裏には、「誰でも自由にモノを売り買いできる場所でありたい」という、同社が大切にしてきた「マーケットプレースの基本原則」があった。具体的な内容については、既に詳報を掲載しているため、ここでは割愛したい。  Switch 2自体は違法な品ではないため、この「自由な市場」という理念に基づけば、出品を一方的に禁止する判断には至らなかったのだ。しかし、この対応こそが批判の的となったのだ。定価を無視した高額出品は当然のこと、詐欺まがいの出品やコメント欄での誹謗中傷が横行し、プラットフォームの秩序は大きく乱れた。個別対応では追い付かない状況に、メルカリ自身もついに方針転換を決意する。  外部の専門家も交えた議論の末、多くのユーザーが不安を感じる状況は、メルカリが目指す「安心・安全な場所」とはいえないと判断。「Nintendo Switch 2は発売時においては、出品禁止すべきだった」という苦渋の結論に至ったのである。メルカリが10月9日に開催した記者会見では、禁止予定の具体的な発表はなく、現時点で出品禁止の予定はないとした。

 この「反省」に対し、世間の反応は驚くほど冷ややかであった。SNSには「今さら言われても、もう遅い」「さんざん転売で儲けた後で言うなんて」といった声が溢れかえった。「何周も遅いな。十分、上前を跳ねた後という印象だ」という意見も上がった。  これらは、メルカリの対応が後手に回ったことへの強い怒りといえ、転売ヤーが利益を得た後での反省表明は、もはや「後出しジャンケン」のように写ってしまうのだ。「世間一般じゃ、メルカリは『手数料旨けりゃなんでもOK』という無法地帯転売ヤー天国という認識だよ」という厳しい指摘もあり、メルカリによる説明不足とも見て取れる。


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 転売ヤーが「悪」とされる一方で、「ちょっと待って」と声を上げる人々もいる。実業家の堀江貴文氏は6月7日に自身のXアカウントで、「どうしても欲しい時に転売ヤーからでも多少高くても買いたいと思っている派です」と堂々と宣言。「感情論で邪魔すんなって感じです」と転売批判を一蹴し、「ちなみにゲーム機本体の転売は合法です」と付け加えていた。

 メルカリが見せた反省の姿勢と、それに対するSNS上での厳しい視線。そして、転売そのものを肯定する意見。Nintendo Switch 2を巡る一連の騒動は、「まだ解決できていない課題が多い」ことを意味するようだ。  転売問題は、プラットフォーマー単体だけでは片付けられず、一般消費者のモラルや考え方、そして自由な売買――という複数の意見をてんびんに載せているようで、簡単には正解を導き出せないのが現状といえる。結局のところ、転売はアリなのかナシなのか。このモヤモヤした問いの答えは、まだ誰も見つけられていないのかもしれない。

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