iPhone 17 価格『朗報と悲報』:数字でわかる12の結論
2025年9月に登場が見込まれるiPhone 17の価格。価格の据え置きや上昇など、さまざまな予測と、私も含めた期待感があります。
そんな新型iPhoneの価格の行方を、「関税」「為替」「投資家心理」「米国消費者コミュニケーション」「インド生産シフト」という5つの軸で整理します。
結論から言えば、米国は“$50の小幅値上げ”が現実的なシナリオか?と思っています。もちろん値上げは望むところではないのですが。
一方日本は消費税込みの**端数設計(〜◯◯,800円)**を踏まえると、小幅の値上げにとどまる可能性が高いです。
iPhoneの価格ってどうやって決まるの?
Appleはスタンダードモデルを残しつつ、次世代モデルとしてiPhone Xを999ドルというスタート価格を用意し、10年目にして値上げを敢行。現在のProモデルのスタート価格になりました。
2017年の値上げ以来、Proモデルについてはスタート価格を維持していますが、その間米国は3割ほどのインフレが進んでおり、iPhoneの価格据え置きは割安感も見え隠れします。
しかし日本からすれば、為替が大きく動き、150円前後で停滞気味。120円時代と比べれば、20%上昇しているわけで、全く割安感は感じられません。
為替レートに合わせて、世界で同じ価格設定を行うApple。私は以前から、Appleが各製品を日本で販売する際に適用する為替レート「#アップルレート」を提唱しています。
日本の場合、価格に消費税が含まれているので、日本円の価格を1.1で割ってから、米ドルの価格で割ることで、レートを求めることができます。
価格を自然にアップするチャンスだが、露骨なやり方は…
世界で価格を統一したいAppleにとって、頭の痛い問題がトランプ関税。この後解説しますが、まだまだ不確定要素があるものの、一律の10%、半導体向けの25%などが言われていますが、これも司法の動き次第。
とはいえ、関税がかけられれば、米国外で製造しているiPhoneの米国内での価格を上昇させるか、利益を圧縮するかのいずれかが必要になります。
その点で、価格を上昇させる理由としては十分でではありますが、価格上昇は消費者心理を冷やし、トランプ大統領を激怒させる影響があります。
また価格転嫁が不十分であれば、すなわちAppleの利益を圧縮することになるため、当然投資家は不満となります。
非常に難しい状況である前提で、価格について考えていきましょう。
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1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。