アップルに試練、iPhone製造インド工場の中国人技術者がまた集団帰国
- フォックスコン、中国人技術者300人を帰国させる-代替人員を派遣
- アップル、9月にiPhone17を発表-4モデル全てインドから出荷へ
アップルの「iPhone」組み立てを受託する台湾の鴻海精密工業(フォックスコン・テクノロジー・グループ)は、インド工場で働く中国人エンジニアおよそ300人を帰国させた。インドでの事業拡大を急ぐアップルにとって、新たな試練となっている。
中国人エンジニアが働いていたのはインド南部タミルナド州のユーザン・テクノロジー社工場で、集団帰国はここ数カ月で2度目。同工場はフォックスコンの部品事業を担う。フォックスコンは代替人員の派遣を始めていると、複数の関係者が非公開情報であることを理由に匿名で明らかにした。
中国政府は今年、インドや東南アジア諸国への技術移転と機器輸出を抑制するよう規制当局と地方政府に口頭で指導した。製造拠点の移転を阻止することが狙いとみられる。フォックスコンのエンジニアが帰国を命じられた理由は現時点で分かっていないが、iPhoneのような高度な精密技術を要する製品にとって、中国人技術者とサプライチェーンがいかに重要であるかがうかがわれる。
ユーザン工場の中国人スタッフ帰国については、エコノミック・タイムズ紙が先に報じていた。ブルームバーグ・ニュースは7月、フォックスコンが中国人エンジニアや技術者数百人にインド工場からの帰国を要請したと報じた。
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アップルとフォックスコンの担当者はコメントの要請に応じなかった。
アップルは当面、輸入と現地サプライヤーへの依存を高めることで乗り切ることが可能だ。しかし中国人の熟練技術者を失うことは、インド国内でのサプライチェーン確立を急ぐアップルに厳しい課題を突きつける。
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アップルは9月に発表を控えるiPhone17の4モデル全てをインドで生産している。プロモデルを含む全バリエーションが発売当初からインドから出荷されるのは、今回が初めてのケースとなる。
原題:Foxconn’s Recall of More Chinese Staff Tests Apple’s India Push(抜粋)