『スパロボY』レビュー(プレイ動画あり)。新規参戦ユニットの使い心地はいかに? ヒイロの新特殊能力がおもしろい【スーパーロボット大戦Y】

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 バンダイナムコエンターテインメントから2025年8月28日に発売予定のNintendo Switch/PS5/PC(Steam)用ソフト『スーパーロボット大戦Y』の試遊レビューを掲載します。
 さまざまなロボットアニメが夢の共演をはたす『スーパーロボット大戦(スパロボ)』シリーズ最新作『Y』。その発売に先駆けて実施されたメディア向け試遊会にて、開発中のバージョンを先行体験することができました。 なお、今回プレイできたのは、本編の一部を切り取ったものではなく、試遊専用のステージとなっています。
 『スパロボ』シリーズとしては、約4年ぶりの新作となる『Y』ですが、基本的なシステムは従来の『スパロボ』を踏襲したシミュレーションRPGとなっています。 システム面では変更がいくつかありますが、『30』の後はしばらく家庭用新作がなく、『スパロボ』に飢えまくっていた身としては、いつもの『スパロボ』をプレイできる喜びが何よりも大きく、プレイしていて「ああ、『スパロボ』をやってるなぁ」という気分にさせてくれます。
 いくつかある新要素の中で、今回体験できたのがアシストリンク。パイロットではないキャラクター(アシストクルー)が持つアシストコマンドを使って、さまざまなボーナスを獲得できるというシステムで、『T』以降採用されていたサポーターシステムの発展形と言えます。 サポーターコマンドと異なるのは、アシストクルーにはそれぞれRANKが設定されており育成要素があること。また使用方法は敵を撃墜する度にアシストリンクの発動に必要なポイントが累積していきそれを使って発動するということ。今回は体験できませんでしたが、アシストクルーは自分で編成可能で、出撃や使用回数に応じてステージクリア後に経験値が獲得でき、RANKが上がるごとに効果も強化されます。
 アシストコマンドにはさまざまな効果があるのですが、中でも便利そうだなと思ったのが弓さやか&炎ジュンの“ふたりの声援”です。 指定したユニットを中心とした2マスの範囲内に“応援(※次の戦闘時に獲得する経験値が2倍になる)”の効果を付与するというもので、最後のボスを倒そうとした時、応援のSPが足りない……という時にも役立ちそうです。
 一方『V』以降採用されていたエクストラアクションは廃止になりました。ただし敵を撃破した際に再行動が可能なマルチアクションの効果は、“連撃”という新しい精神コマンドとして残っているようで、オリジナルキャラクターであるクッキンのアシストコマンドでも付与できます。
 コストさえ残っていれば、1ターンに同じアシストコマンドを連続して発動することも可能なので、製品版のプレイでもクッキンにはかなりお世話になりそうな予感がします。 また、今回のアシストクルーの中で、クッキンはランクが2になっており、「出撃時、味方メインパイロットの技量を+3」という常時発動するパッシブ効果が有効になっていました。アシストクルー選びでは、アシストコマンドに加えてパッシブ効果も重要になりそうです。
 基本的なゲームシステムは、ユニットを指定マスに移動させて使用武装を選択、敵を攻撃して全滅を目指すという、従来の『スパロボ』と同じなので、過去作とほぼ同じ感覚でプレイできました。 一方、UIなどの画面情報は一新され、全体的に情報量が増えた印象。とくにありがたいのは予測ダメージが表示されるようになったことで、クリティカルが発生しなかった前提で、その攻撃で敵を倒しきれるのかが、攻撃前にわかるようになりました。
 『スパロボ』シリーズを通して、撤退するボスを倒すために、いったんセーブして攻撃し、足りなかったらクイックロードで戻る……というのを毎回やっていたので、その攻撃でダメージが足りているのかどうか、ある程度事前にわかるようになったのは非常に助かります。 あとは地味に嬉しいのが、パイロットの撃墜数も表示されるようになったこと。今回も、パイロットが一定数撃墜した際にボーナスを得られるエースボーナスがあるようなので、条件を満たすまでに残り何機落とせばいいのかの確認が楽になったのは、地味ながら嬉しい要素です。
 また、コマンドメニューは『30』で採用されていたリング状のものではなく、縦一列に並ぶ形式に戻ったことも確認できました。
 今回の試遊で使用できたのは、本作オリジナル機体であるルーンドラッヘとエーアデントの他には、以下の14機でした。
  • コン・バトラーV
  • ライディーン
  • ビルバイン
  • ゲッターアーク
  • ウイングガンダムゼロ
  • レッドファイブ
  • ゴディニオン
  • 紅蓮特式
  • ジェットジャガー
  • ガンダム・エアリアル
  • ダイナゼノン
  • VF-31J ジークフリード
 一部の武装は制限されており使用できませんでしたが、ゲーム内の能力値などを確認できました。
 中でも強そうに感じたのは、ゲッターチームの3人が持つ特殊能力である“ゲッターの申し子”。3人全員の気力140以上で発動し、自軍フェイズ開始時に気力+5、さらに気力160以上で最終ダメージが1.2倍になるという、効果が強力な分、発動条件は厳しめという調整がされています。
 今回プレイできたステージは配置された敵の数があまり多くなかったのですが、指定した周囲のユニットの気力を上げるゴディニオンの“気力上昇”能力や、対象に気合をかけるフレイアのアシストコマンドを活用して条件を満たすことに成功。とくに序盤は使える精神コマンドも限られているので、このあたりの要素もフル活用していく必要がありそうです。
 同じく新規参戦の『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』のVF-31J ジークフリードも、ワルキューレのメンバー(フレイア、美雲、カナメ、マキナ、レイナ)のいずれかがアシストクルーとして配置されている場合、自身と周囲の味方を強化するというユニークな能力が設定されていました。
 ハヤテ機の場合は最終回避率+20%が設定されており、仮にΔ小隊全機に異なる効果が設定されているとするなら、アラド、メッサー、ミラージュ、チャックも合わせて使うと凄まじい効果が得られそうで期待が高まります。
 常連作品の中にも変化があり、『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』のヒイロ・ユイには、“エージェント”という見慣れぬ特殊能力が……。 効果は“HP80%以下で発動し、被ダメージ0.8倍、最終回避率+20%、さらに反撃の与ダメージ1.2倍”というもので、条件は“ゲッターの申し子”以上に厳しいものの、発動できれば間違いなく強い能力です。ヒイロはHP減少で能力が強化される“底力”も所持しているのもポイント。
 運任せで発動を狙うのは難しそうなので、事前に“てかげん”を使った味方のマップ兵器に巻き込んでHPを減らすといったような、過去作で『装甲騎兵ボトムズ』が参戦していた時のキリコ・キュービィーを思わせる運用法になりそうです。 ヒイロ専用なのか、他の4人のガンダムパイロットたちも持っているのかも気になるところです。
 それ以外にも、気力の上昇に応じて、運動性・照準・移動力・武器攻撃力を上昇させるガンダム・エアリアルの“GUNDフォーマット”や、気力の上昇に応じて装甲・運動性・照準値を上げるダイナゼノンの“合体竜人”など、新しい能力が多数確認できました。
 なおダイナゼノンはガウマをメインパイロットとした4人乗りで、当然精神コマンドも蓬、夢芽、暦の分も使用可能。暦はいきなり“脱力”を習得するようなので、序盤に加入してくれれば重宝する存在になりそうです。
 他に気づいたところだと、コン・バトラーVにバトルチェーンソー、レッドファイブにヘビーマチェーテ、紅蓮特式のフレームコート装備といった、『30』から続投している作品にも新武装や形態が追加されていることが確認できました。 こういう能力値を見ていると、製品版ではどうやって運用しようか……という妄想が今から広がりまくります。
 『スパロボ』のウリでもある戦闘アニメでは、ウイングガンダムゼロが完全な新規アニメになっており、度肝を抜かれるクオリティになっていたのが印象的。最強武装は未解禁でしたが、もうビーム・サーベルや通常出力のツインバスターライフルでも動きに動きまくります。
 久しぶりに参戦した『勇者ライディーン』のエネルギーカッターも、エネルギーの刃を延長して遠距離から斬りつけ、その後再度接近して追撃を加えるという、今までのエネルギーカッターとは違うアニメーションになっていてカッコよかったです。
 なお、メディア向け試遊会で行われた、本作のプロデューサーの戸澗宏太氏へのインタビューも掲載しておりますので、こちらも合わせてご一読ください。
 『スーパーロボット大戦Y』の最新情報を公開する配信番組“スパロボY情報局”が、8月7日20時より配信されます。
 こちらの番組には、特別ゲストとして深川和征さん(月ノ輪クロス役)、山根綺さん(月ノ輪フォルテ役)が出演。『スーパーロボット大戦Y』の制作を手掛ける戸澗宏太プロデューサーより、第3弾PVをはじめとした新情報、並びにキャンペーン情報などが公開予定とのことです。※追加参戦作品の発表はありません。
■番組スケジュール
  • 第3弾PVのご紹介
  • 特別ゲストをお呼びしたオリジナルキャラクター深堀りコーナー
  • 『スーパーロボット大戦Y』Q&Aコーナー
  • 『スーパーロボット大戦Y』キャンペーン情報
米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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