【獣医師が警鐘】愛犬と山登り、増える一方で事故も 「禁止されてないからOK」が危険な理由とは? #エキスパートトピ

イメージ写真(写真:イメージマート)

犬連れで山登りを楽しみたいという人が増えています。

山梨県の西沢渓谷では5月、飼い犬が滝つぼに転落し、助けようとした飼い主も転落して亡くなるという、悲しい事故が起きました。

山には、険しい細道、急な勾配、滑りやすい場所などがあると犬を連れて歩くには危険が伴います。犬を連れての入山を控えるよう呼びかけているところもあります。

犬連れでの登山を一律に禁じる法律はなく、御岳山のように安全対策を講じたうえでペットを受け入れている場所もあります。

飼い主と犬の安全、登山者への配慮のある犬連れ山登りについて考えてみましょう。

ココがポイント

日本経済新聞 電子版(日経電子版)@nikkei

東京新聞編集局@tokyonewsroom

新潟日報ニュース@niigata_nippo

エキスパートの補足・見解

獣医師として、この事故を「犬を山に連れて行くことが悪い」と捉えるのではなく、犬の安全と周囲の登山者の安全を考えてほしいです。

筆者自身も大阪の金剛山を登った際に、犬を連れて山登りをしている方を見かけました。愛犬と一緒に楽しみたいという気持ちは理解できます。

犬は人間のように「ここから先は危険」と判断できるとは限りません。狭い道や急斜面、滝や渓流の近くでは、犬が突然動いたり、飛び出したりする可能性があります。飼い主が助けようとして、さらに重大な事故につながることもあります。

重要なのは「法律で禁止されていない=連れて行ってよい」ではないということです。行政や地元ガイドが「ペット連れは控えてください」と呼びかけている場所には、危険性があります。愛犬を大切に思うからこそ、行ける場所と行かない場所を飼い主が判断することが必要です。

一方で、御岳山のようにペット同伴を前提に、安全対策やマナーを整えて受け入れている場所もあります。

これからは「犬連れOKか禁止か」だけではなく、人にも犬にも安全な環境が整備されているかという視点が大切だと思います。愛犬との楽しい思い出をつくるためにも、無理をしないことが最高の愛情です。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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