中国、CKハチソンのパナマ港湾取引調査と関係者-不満表れの可能性
Bloomberg News
- 複数の機関、国家安全上の違反など可能性調べるよう高官から指示
- 売却対象の港湾は中国の外、どのような手段で取引阻止できるか不明
中国当局は香港の大手複合企業、長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)による海外の港湾事業売却に関して調査を始めた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。米国の圧力でパナマ事業の売却を決めたことに中国が不満を抱いている兆候がある。
非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、国家市場監督管理総局など複数の機関は、今回の取引で国家安全上の違反や独占禁止法違反の可能性がないか調べるよう高官から指示を受けた。
長江和記実業が売却を見込んでいる港湾はいずれも中国や香港の外にあり、中国がこの取引を阻止するため、どのような手段を講じることができるかは不明。CKハチソンは米ブラックロック率いるコンソーシアムに43の港湾を売却し、190億ドル(約2兆8400億円)を受け取ることになっている。米国がパナマ運河を取り戻したとトランプ米大統領が主張する取引でもある。
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関係者によれば、中国当局がこの取引を調査したからといって、何らかの措置がその後取られるとは限らない。今回のように大規模な取引は中国でも他国でも、規制当局の関心を集めることが多い。
ブラックロックの担当者はコメントを控え、CKハチソンは調査に関する問い合わせに回答しなかった。国家市場監督管理総局と国務院香港マカオ事務弁公室にはファクスでコメントを求めたが、返答がなかった。
18日の香港株式市場で、CKハチソンの株価は一時4.9%安と下げが拡大した。
原題:China Is Said to Scrutinize Li Ka-shing’s Panama Port Deal (1)(抜粋)
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