へびつかい座ゼータ星のバウショック:弧状衝撃波が描くアーチ
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、地球から約440光年離れた恒星「へびつかい座ゼータ星(Zeta Ophiuchi)」とその周辺をとらえた合成画像です。NASAの赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」とX線観測衛星「チャンドラ」の観測データを組み合わせた疑似カラー画像で、2022年7月25日にチャンドラX線センターが公開したものです。 
※スピッツァーは2020年1月30日に運用終了。チャンドラは2025年現在も運用中です。
画像中央で明るく輝いているのが「へびつかい座ゼータ星」で、太陽の約20倍の質量をもつ大質量星です。その左側にアーチ状に見える赤と緑の繊細な構造は、ゼータ星の恒星風が周囲の星間物質と衝突して生じた弓形(弧状)衝撃波(バウショック:bow shock)で、船の船首波(bow wave)に例えられています。
ゼータ星はかつて連星をなしていたと考えられ、相手星が超新星爆発を起こした際に弾き飛ばされたとみられます。現在は数十km/sで移動しているとされ、本画像では進行方向(左側)に衝撃波が形成されています。
編集/sorae編集部