「どれだけ自分で勝ちを持ってこられるか」町田新加入DF岡村大八、開幕戦負傷交代も次戦で圧巻の90分完封

[2.22 J1第2節 FC東京 0-1 町田 味スタ]

 北海道コンサドーレ札幌からFC町田ゼルビアに加入したDF岡村大八が、開幕2試合目にして欠かせぬ戦力であることを印象付けた。開幕節・広島戦(●1-2)では前半20分に負傷交代し、チームは無念の逆転負け。それでもこの日、第2節・FC東京戦で先発出場を果たすと、FWマルセロ・ヒアンを完璧に抑え込む圧巻の守備対応を続け、1-0の勝利に貢献してみせた。

 広島戦では右膝の打撲で負傷交代したが、たった1週間で「痛みはない」と鉄人ぶりを発揮。負傷の影響は感じさせず、力強い空中戦とクリーンな地上戦でFC東京の攻撃陣を抑え込んだ。「この試合で負けるか、勝つか、引き分けるかは大きな違いがあったし、上に食らいついていくために勝ち点3が必要だった」。その大きな覚悟は勝利後のガッツポーズで派手に表現した。

 前節・広島戦後には黒田剛監督や他の選手から、同じく負傷交代したDF菊池流帆とともに「失った2人はデカかったと思う」(DF中山雄太)といった声が聞かれていたが、この日は岡村のパフォーマンスがその影響力を見事に体現。岡村自身は「まだまだ絶対的な地位を確立しているとは思っていない。日々勉強でやらないといけない」と謙遜するも、今季の基本布陣となった3バックに不可欠な存在であることを証明するプレーぶりだった。

 また札幌時代はハイリスクな攻撃戦術の中で広大なスペースをカバーする姿も目立っていたが、今季はスペースを消して守備ブロックを組む戦術に取り組んでおり、戦い方を問わない適応力も頼もしい。むしろ岡村自身はキャンプからの積み上げを通じて「受け渡しがスムーズにできるのでそこは非常に大きい」と手応えを感じているという。  さらに今季の町田では前線のターゲットに向けたロングフィードだけでなく、ビルドアップによる攻撃にも重点を置いて取り組んでいる中、持ち味の配球力も随所に発揮した岡村。「相手がどう来るかを考えて、しっかりプレーの選択を間違えずに繋いでいくのか、蹴るのか、セフンを使って数的優位に持っていくかをやっていきたい。そのために僕が入ったと思うし、チームが勝つために選択していければ」とも口にし、すでに中心としての気概を持って取り組んでいるようだ。  もっとも、長いシーズンはまだ始まったばかり。J3・JFLで過ごしたプロ1年目から着実にステップアップし、J1優勝争いを目指す気鋭のクラブで7年目を過ごす28歳CBは「どれだけ自分で勝ちを持ってこられるかが自分が出ている最大のキーポイントだと思う。そこは何がなんでもやらないといけない」と勝利への強い執着心とともにシーズンを走り抜く。 (取材・文 竹内達也)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集

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