DeepSeekが利益率開示、「理論上」は545%-一部コスト反映せず

Saritha Rai

Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

中国の人工知能(AI)スタートアップ(新興企業)、DeepSeek(ディープシーク)は1日、財務に関する数値を一部開示。この中で「理論上」の利益率はコストの5倍を上回ると明らかにした。AI業界ではビジネスモデルが不透明とされている。

  創業からわずか20カ月のディープシークは、画期的でコストが低いAIモデルを構築し、シリコンバレーに衝撃を走らせた。同社は1日にソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」に投稿。「V3」と「R1』モデルのインファレンシングコストと売上高に基づき、2月最終日24時間の利益率は545%だったと明らかにした。

  インファレンシングはAIモデルがリアルタイムで動作するのに必要とするコンピューティング能力や電力、データストレージといったリソースを指す。

  ディープシークはただ、ソフトウエア開発プラットフォームのギットハブに掲載した詳細の中でただし書きを付け、実際の売上高はさまざまな要因で開示した数字より著しく低いと説明。収益化されているサービスがごく一部にとどまっている事実や、オフピーク時にディスカウントを提供していることなどを挙げた。また調査研究(R&D)や研修関連のコストも、ここでは考慮されていないという。

  従って驚異的に高い利益率は仮説の域を出ない。この数値はAIスタートップの収益性に投資家の関心が集まるタイミングで明らかにされた。

  オープンAIからアンソロピックに至るまでAIプロダクツの能力を競う各社は、サブスクリプション(定額購入)や、利用に応じた請求、ライセンス手数料など、さまざまな収益モデルを試している。しかし投資家が注目するのはこうしたビジネスモデルとその投資利益であり、近く黒字を達成できるのかどうかという議論が始まっている。

  杭州に本社を置くディープシークは1日のX投稿で、同社オンラインサービスの「コスト利益率が545%」だったと発表した。このほかオペレーションの概況についても説明。複数のサーバーやデータセンター間でトラフィックが均等になるよう、負荷を分散することでコンピューティング能力の最適化を図っているとした。さらに同社はAIモデルが一定期間に処理するデータ量を最適化することで、ユーザーがクエリを送信してから回答を得るまでの待ち時間であるレイテンシーを管理できる革新的な技術を開発したとも述べた。ceiving the answer.

🚀 Day 6 of #OpenSourceWeek: One More Thing – DeepSeek-V3/R1 Inference System OverviewOptimized throughput and latency via:🔧 Cross-node EP-powered batch scaling🔄 Computation-communication overlap⚖️ Load balancingStatistics of DeepSeek's Online Service:

⚡ 73.7k/14.8k…

  オープンソースのAIを信奉するディープシークは、先週から革新的な技術や自社モデルの基盤にあるデータを一部開示しており、業界を驚かせた。オープンAIのような米国の競合大手の独占的なアプローチと対照的だ。

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