世界の半導体株が軒並み安、エヌビディアAI半導体輸出規制受け
4月16日、米半導体大手エヌビディアが中国向けに設計した人工知能(AI)半導体「H20」が米トランプ政権の輸出規制の対象になったことを受け、世界の半導体関連株が急落した。写真は半導体基板のイメージ。北京で2022年2月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
[16日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabが中国向けに設計した人工知能(AI)半導体「H20」が米トランプ政権の輸出規制の対象になったことを受け、世界の半導体関連株が16日に急落した。
エヌビディアは15日、米政府から輸出規制の通知を受けたことを明らかにし、55億ドルの費用を計上すると発表した。 もっと見る
同社の株価は16日に7%近く下落し、時価総額が1480億ドル以上吹き飛んだ。
同様に輸出規制により8億ドルの費用を計上する方針を示したアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も5.8%下落。アーム、ブロードコム(AVGO.O), opens new tab、マイクロン(MU.O), opens new tabを含むAI関連半導体銘柄は2.5─4.6%安となった。
ランニング・ポイント・キャピタルのマイケル・アシュリー・シュルマン最高投資責任者(CIO)は「H20に対する輸出規制は、特にトランプ政権の政策転換の下でのハイテク・半導体セクターを取り巻く地政学的な不確実性の高まりを浮き彫りにしている」と指摘した。
「エヌビディアの株価急落や半導体株全体への広範な圧力が示すように、この予測不可能性は企業や投資市場を混乱させている」と述べた。
バーンスタインのアナリスト、ステーシー・ラスゴン氏は「H20は、(中国での売上高として)約120億ドルを占め、1株利益の約30セントに相当する。わずかではないが、全体から見れば莫大なものではない」と分析した。
さらに「H20の性能は低く、すでに中国で入手可能な代替製品を大きく劣っている。H20が規制されれば、中国のAI市場は事実上ファーウェイに明け渡されるだけだ」と述べた。
Chart represents sales to specific nation as a percentage of total salesH20に対する輸出規制のニュースを受け、半導体企業やサプライヤーの株価が下落した。
エヌビディアのサプライヤーであるアドバンテスト(6857.T), opens new tabは5%安となった。
Chipmakers stumble after strong 2024一方、一部のアナリストは大手クラウド企業からの半導体需要は依然旺盛であり、エヌビディアの売上高は大幅な伸びが続いていると指摘する。
TDコーウェンのアナリストは、エヌビディアの最新のAI半導体「ブラックウェル」が同社の業績をけん引しているとの見方を示した。
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