「AnduinOS」レビュー--「Windows」から移行する人にお薦めの「Linux」ディストロ(ZDNET Japan)

 読者の中には、「Windows」からの移行に最適な「Linux」ディストリビューションを探している人もいるはずだ。選択肢は豊富に存在する。ルック&フィールが「Windows 10」や「Windows 11」に似ていないディストリビューションでも、設定を変更することで、MicrosoftのOSに似せることが可能だ。  最初からWindowsに似ているLinuxディストリビューションも幾つか存在する。比較的新しい「AnduinOS」もそうしたディストリビューションの1つで、先頃、バージョン1.3がリリースされた。筆者は、そのバージョンを実際に試してみて、なかなかの感銘を受けた。  AnduinOSの最新バージョンは「Ubuntu 25.04」をベースとしているので、基礎部分はCanonicalの定評あるディストリビューションと同じだ。つまり、堅実なハードウェアサポートや使いやすいパッケージマネージャー、強固で安定した基盤、2026年まで有効なサポートを提供する。  AnduinOSは「GNOME 48」を採用することでWindows 11風の外観を実現しており、完成度は非常に高い(その一方で、多くの「GNOME」ベースのLinuxディストリビューションで見られるシンプルさも維持している)。さらに、GNOMEデスクトップでは通常見られない機能(デスクトップの左下にクリック可能なボタンとして配置された天気アプリなど)も幾つか追加されており、魅力が高まっている。  ただし、AnduinOSには、重要な注意点がある。AnduinOSは、Windowsから移行する開発者向けのディストリビューションとして宣伝されているが、実際には、日常的な用途にも問題なく使用できる。筆者は最初にデスクトップメニューを細かく調べて、どういうところが開発者向けなのか確認してみたが、特に目立った点はなかった。確かに、クリップボード履歴を開く「Super」+「V」ショートカット(これは便利)やHDRのサポートなどが追加されてはいるものの、「開発者向け」であることを猛烈にアピールする要素はこのディストリビューションにはない。むしろ、「Linuxだが本当に使いやすい」ということを猛烈にアピールしている。  実際に、AnduinOSは「一度設定すれば、後は放っておける」タイプのディストリビューションなので、Linuxを使うのが楽しくなる。直観的で使いやすく、設計も優れている。 筆者の体験  AnduinOSのインストールは、最近のほかのLinuxディストリビューションと同様に簡単である。ISOイメージファイルをダウンロードして、新しい仮想マシンを作成した後、5分足らずでOSが起動して、使用準備が整った。ログインしてすぐに感銘を受けたことがある。それは、開発元がGNOMEを設定してWindows 11のような外観にうまく仕上げているだけでなく、Linuxらしさも少し残していることだ。  最初に気づいたことの1つは、必要最小限のソフトウェアしかプリインストールされていないことだ。これで何も問題はない。「GNOME Software」アプリを開いて、必要なものを検索し、ワンクリックでインストールできるからだ。開発元がGNOME Softwareに「Flathub」のサポートを組み込んでいるのもうれしい点だ。このおかげで、インストールできるソフトウェアが大幅に増える(「Spotify」や「Slack」のようなプロプライエタリーなアプリもインストール可能)。  AnduinOSで印象に残った点はほかにもある。パフォーマンスだ。GNOMEが市場で最も高性能な(本格的な)Linuxデスクトップの1つになったことは周知の事実だが、AnduinOSはその優れた性能を遺憾なく発揮する。アプリをクリックすると、ほぼ瞬時に起動する。アップデートとアップグレードは迅速に実行され、アニメーションも非常に滑らかだ(これは、3GBのRAMと2つのCPUコアしかない仮想マシンとして実行した場合でも同じだった)。

ZDNET Japan
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