FRB、夏まで忍耐必要も 米経済に不透明感=アトランタ連銀総裁

 3月6日、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁(写真)は、トランプ政権の新たな政策によって米経済は「信じられないほどの変動」の中に陥っており、連邦準備理事会(FRB)が春の終わりか夏までに政策を変更できるほど十分な明確さを得る可能性は低いとの見解を示した。2023年8月、南アフリカのケープタウンで撮影(2025年 ロイター/Esa Alexander)

[6日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は6日、トランプ政権の新たな政策によって米経済は「信じられないほどの変動」に陥っており、連邦準備理事会(FRB)が春の終わりか夏までに政策を変更できるほど十分な明確さを得る可能性は低いとの見解を示した。

バーミンガム・ビジネス・ジャーナル主催のイベントで、「多くの変化が起きており、こうした中で物事がどこに行き着くのかを正確に知るのは難しい」と指摘。

関税、貿易政策、予測不可能なインフレ再燃、マイナスに転じつつある消費者心理、移民政策と労働力への影響、エネルギー政策、税制政策、連邦政府の支出、地政学といった問題に言及した。

総裁は「春の終わりか夏までに状況が明確になるなら驚きだ。忍耐強く待つしかない」と語った。

関税については、家計にとっていずれ物価上昇を意味することになるが、それがインフレ加速につながるかどうかは不明だとした。

規制緩和やエネルギー生産など新政権の他の政策は企業の楽観姿勢を後押ししていると指摘した。

同総裁はFRBによる昨年の計1%の利下げを受け、今年は年初の時点で、さらなる措置を支持する前に経済状況を精査する時間が必要だと考えていたという。

「私が当初、経済がどこに向かうのか明確なシグナルを得ようと待っていたとすれば、今は間違いなく待っている。なぜなら、方向性がまったく定まっていないからだ」とし、「問題はこれら全てがどのように整理されるのか、どのような順序で展開されるのか、反応はどうなのか、全てが重なってどうなるのかということだ」と述べた。

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