米CPI、コア指数が加速か-利下げに慎重なFRB姿勢を正当化も

米労働統計局(BLS)が12日発表する1月の米消費者物価指数(CPI)は、インフレ率がなお高止まりしている状況を示し、利下げに慎重な米金融当局のアプローチを正当化することになりそうだ。

  ブルームバーグ調査の予想中央値によると、変動の激しい食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.3%上昇となる見込み。前年同月比では3.1%上昇が予測されている。

Economists see metric advancing 0.3% for fifth month in last six

Source: US Bureau of Labor Statistics, Bloomberg survey of economists

  1月のコアCPIが0.3%上昇となれば、過去半年間で5カ月目となり、インフレ鈍化が足踏み状態にあることを示す。 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11日、上院銀行委員会の公聴会で、金利調整を急ぐ必要はないとあらためて表明した。

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  バンク・オブ・アメリカ(BofA)のエコノミスト、スティーブン・ジュノー、ジェセオ・パーク両氏はリポートで「インフレ率は目標を上回ったままとなっている。リスクは上向きで、経済活動は活発、労働市場は完全雇用付近で安定しているように見える」と指摘。コアCPIが前月比0.3%上昇となれば、「米金融当局が(金利を)据え置く根拠はさらに強まるだろう」と分析した。

  卵などの食品やエネルギー価格上昇がけん引する形で、総合CPIも0.3%上昇が想定されている。

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1月の値上げ

  多くの企業やサービス業者は年初に価格・料金を引き上げる傾向にあるが、近年はその傾向がさらに強まった。消費者が値上げを許容できる態勢にあると見受けられたためだ。その結果、新型コロナウイルス禍からの回復期以降、1-3月(第1四半期)のインフレ率は他の四半期を上回ってきた。

  だがウェルズ・ファーゴのエコノミスト、サラ・ハウス、オーブリー・ウースナー両氏は「ここ1年間に価格環境がやや落ち着いてきたことで、企業が大幅に値上する必要性は低下するだろう」とリポートで分析。季節性を巡る問題が「1月のコア指数を押し上げると見込まれるが、昨年より目立たないだろう」とみている。

  12日発表の統計には、過去5年間の全月について季節調整要因の年次改定が盛り込まれる。こうした措置はデータ修正につながることが多い。また、米国民の消費習慣をより正確に把握するため、消費バスケットに新たなウエートを配分する。

  この調整によって今年は想定外の下振れも考えられると指摘するアナリストもいる。年初の通常の値上がりの一部が季節要因として扱われる可能性があるためだ。 

原題:US Core Inflation Seen Picking Up to 0.3% Gain in January(抜粋)

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