パワフルゆえの代償か…? NVIDIA RTX 5090でコンデンサ破裂や発火の報告
パワーを制御するのは難しいのか…。
GPU界で強大なパワーを誇っているNVIDIA(エヌビディア)がピンチです。NVIDIA RTX 5090で電源ケーブルの溶解、コンデンサの破裂、レンダリング出力ユニットの欠落など、製品品質に対する被害報告が寄せられています。
被害報告の経緯
NVIDIA公式Redditにて、ユーザーが以下のように報告しています。
RTX 5090を購入して1カ月でコアのコンデンサが破裂しました。価格が数十万円にのぼる超高額GPUにもかかわらず、非常に早い段階での物理トラブルです。
奇妙な現象ですが、GPU自体は依然として動作していたというのです。しかしその後…
・Netflix視聴中にコイル鳴きが発生
・ケース内部を確認したところ、コンデンサが破裂していたのを発見
5090シリーズの背面には全カードにこのコンデンサがありますが、リファレンス写真には黒いキャップが写っていません。GPUは動作しますが、Netflixを見ているときにコイル鳴きがして、午前4~5時に気づきました。
と、ユーザーは説明しています。
技術的背景
Image: Reddit via The guru of 3DこれまでもRTX 5090を搭載したPCで不具合は発生していて、ASUS ROG Astral GeForce RTX 5090 OCのユーザーが、通常の使用中に突然のシャットダウンと再起動後の発煙を報告しています。
この際、GPUとマザーボードの両方に損傷が生じたと報告しています。当初はマルチレイヤーセラミックコンデンサ(MLCC)の故障が疑われましたが、詳細な分析により、電源フェーズの不具合が原因である可能性が高いとされています。
Image: Reddit via The guru of 3Dまた、別のASUS TUF Gaming RTX 5090のユーザーは、GPUの背面にあるコンデンサの物理的な損傷と、それに伴う異常な音(コイル鳴き)を報告しています。このような高価なハイエンドGPUでの物理的損傷は珍しく、製品の品質管理に対する懸念が高まっています。
特にRTX 5090は、PCIe Gen 5に完全対応した初のGPUアーキテクチャです。
(脚注)PCIe(ピーシーアイ・エクスプレス)とは、GPU(グラフィックボード)などの拡張カードとマザーボードをつなぐための通信規格のことで、数字が大きくなるほど通信速度が速く、処理能力も高くなります。
一部のユーザーは、BIOS設定でPCIe 4.0モードに強制変更することで、一時的な緩和が可能であると報告していますが、根本的な解決には至っていません。
これまで報告されてきた電源ケーブルの溶解や実装ミスなどの問題も考慮すると、RTX 5090はNVIDIAのフラッグシップでありながら、異例のトラブル続出状態です。このような不具合が続くと、選ぶ側としてはスペックが高くても、不具合の少ないAMD製GPUに乗り換えようかな…なんて選択肢も浮かんできます。これからNVIDIAがこのピンチをどう乗り切るのか、あるいは他社が攻勢をかけるかに注目です。
Source: XDA, The guru of 3D, TECH POWER UP, Reddit