来週の円は上昇か、日銀利上げ公算大-トランプ演説波乱なら下振れも
船曳三郎
来週の円相場は上昇しそうだ。日本銀行が24日の金融政策決定会合で追加利上げを決める公算が大きくなっている。米国金利の上昇も一服する中、1ドル=153円程度までの円高余地を指摘する声がある。もっとも、日銀の最終判断材料となる20日のトランプ次期米大統領の就任演説で市場が混乱すれば、円が下振れするリスクは残る。
市場関係者の見方
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター
- 日銀の利上げを警戒した円買いが続いている。金利はかなり織り込んだが、為替はオーバーシュートする傾向もあり、あと1~2円は円高が進む可能性がある
- 米国で主要な経済指標の発表が終わり、消費者物価指数(CPI)鈍化の余韻を引きずって米金利低下・ドル売りの流れが続いている面もある
- トランプ氏から想定以上の発言が出た場合は157~158円まで円が売られるリスクがあるが、就任演説に波乱がなければ153~156円程度のレンジか
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジスト
- 市場が来週の利上げを8割以上織り込む状況では日銀も見送りづらく、円高の流れは続きそうだ
- 最終関門のトランプ氏就任演説は、政策の具体的な内容を発表するというよりは方針を示す程度で、市場が大荒れになるリスクまでは考えなくても良さそうだ
- もっとも、日銀が利上げを決定しても、植田和男総裁が会見で次の利上げに向けたタカ派的姿勢を示さない限り、円をどんどん買い進む展開にはならないのではないか
週間予想
(ブルームバーグ為替レート予想モデル)
1ドル=152円62銭-157円92銭 1週間物予想変動率 12.5000% 1週間物リスクリバーサル 1.0025%の円コールオーバー来週の主な予定
- 20日:トランプ次期米大統領の就任演説、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(スイス・ダボス、24日まで)、中国人民銀行(中央銀行)がローンプライムレート発表
- 24日:昨年12月の全国CPI、通常国会召集と石破首相の施政方針演説、日銀決定会合結果と経済・物価情勢の展望(展望リポート)公表、植田総裁会見
- 24日:1月のS&Pグローバル米製造業・サービス業・総合PMIと米ミシガン大学消費者マインド指数
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