米政権、先端半導体の流出阻止で新規制発表-中国企業16社に制裁
米国は15日、台湾積体電路製造(TSMC)などが製造した先端半導体について、中国による入手阻止を目指した新規制を発表した。退陣を間際に控えたバイデン政権が、ハイテク製品の対中輸出規制の不備に対処することを目指す最後の取り組みと言える。
新たな規制でTSMCや韓国のサムスン電子などの半導体メーカーは、中国企業をはじめとする顧客の審査とデューデリジェンス(査定)の強化を求められる。これは、TSMC製半導体が最終的に中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)に渡っていた事例を含め、先端半導体がなお中国やロシアに流出していることを認めるものだ。
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米商務省の発表文によると、新規制では、中国の半導体産業育成に向け「政府の指示で行動している」中国企業16社に制裁を科す。昨年ファーウェイによるTSMC製半導体入手に関与したとされる算能科技も含まれる。
また、TSMCなどファウンドリー(受託生産)企業や、先端半導体輸出を目指すパッケージング企業に対するライセンス要件も拡大する。半導体が一定の性能基準を下回っていることを証明する「信頼できる」顧客向けなどでない限り、より厳格な規則が適用される。
レモンド商務長官は同日の声明で「米国の法律を回避しわが国の国家安全保障を脅かそうとする中国などの取り組みをくじくため、一連の規則はさらに的を絞って管理を強化する」と表明。「先端半導体へのアクセス制限や積極的な規則施行、新たな脅威に対する事前の対処で今後も米国の国家安全保障を守っていく」と指摘した。
これに対し中国商務省は、米国の一連の措置に「断固として反対する」とし、最近の米規則は「自立性と技術革新に関する中国の自信と能力を強めるだけだ」とコメントした。
バイデン政権は今月20日の退陣までの数日間に、中国への先端技術流出制限でレガシーの確立を目指しており、半導体や人工知能(AI)へのアクセスを広範囲に規制する措置を相次いで発表している。
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原題:US Unveils New Rules to Curb Flow of Advanced Chips to China (1)(抜粋)