フェルスタッペン、超速ラップでマクラーレン勢下しポールポジション獲得。角田裕毅はQ3進出10番手|F1イタリアGP予選(motorsport.com 日本版)
超高速モンツァ・サーキットを舞台に開催されているF1第16戦イタリアGP。9月6日(土)に行なわれた予選セッションでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。 【リザルト】フェルスタッペンがポール|F1 2025 イタリアGP予選 今年のイタリアGPは天候に恵まれ、2日目も地元フェラーリを応援する熱狂的なファン、ティフォシが詰めかけたモンツァには澄み渡る空が広がった。決勝グリッドを決める予選が開始された時点では気温27度、路面温度44度というコンディションだった。 ■全車が0.8秒以内の大接戦|Q1 20台のうち下位5台がノックアウトとなる18分間のQ1。各車が続々とコースへ姿を現し、フェラーリの2台がピットを離れるとグランドスタンドにいるティフォシから万雷の拍手で迎えられた。 1周のタイム計測を行なうため予選ではソフトタイヤを履くのがセオリーだが、メルセデスは新品ミディアムタイヤでコースインした。 各車が最初のアタックを実施した時点ではマクラーレン勢が1−2。フェラーリのシャルル・ルクレール、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが続いた。チームメイトの角田裕毅はフェルスタッペンから0.227秒差の8番手につけていた。 残り10分を切ると当落線上にいるドライバーが2セット目のソフトタイヤを投入。1セット目のタイヤで複数回アタックを敢行しタイムを伸ばすドライバーも少なくなく、ミディアムタイヤを履くジョージ・ラッセルが1分19秒414でトップに浮上した。 その後複数セットを使用したドライバーも含め全車がピットに戻っていたが、残り4分というところで、ラッセルを除く19台がコースイン。いずれも新品もしくはユーズドのソフトタイヤを履いた。 Q1最終アタックではフェルスタッペンが2番手、角田がチームメイトから0.164秒差の4番手までタイムを改善したが、最速タイムを塗り替えるドライバーは現れずラッセルがQ1トップ通過となった。 ラッセルから最下位まで0.865秒という僅差の争いの中で、前戦3位表彰台を獲得したレーシングブルズのアイザック・ハジャーが、15番手となったウイリアムズのアレクサンダー・アルボンに0.080秒届かずQ1敗退となった。 ハジャー以下アストンマーティンのランス・ストロール、アルピーヌのフランコ・コラピントとピエール・ガスリー、レーシングブルズのリアム・ローソンが姿を消した。 ■角田裕毅はギリギリ通過|Q2 コース清掃のため、トップ10入りを決める15分間のQ2開始時間は少し遅れることになった。しかしセッションがスタートすると、ウイリアムズ勢がユーズドのソフトタイヤでコースイン。カルロス・サインツJr.がターゲットタイムをマークし、アルボンが続いた。 2台がタイム計測を終えたタイミングで、その他のドライバーもアタックを開始。フェルスタッペンが1分19秒140で暫定トップに立ち、ラッセルが2番手で続いた。角田はトップから0.293秒差の6番手だった。 マクラーレン勢はQ2最初のアタックを隊列の後方で実施してオスカー・ピアストリが3番手につけた一方で、チームメイトのランド・ノリスはミスによりノータイム。そのため新品ソフトタイヤに交換して手堅く走り、7番手タイムを記録した。 残り時間が少なくなると15台が最終アタック。ノリスもクールダウンラップを挟んで2回目のタイム計測を実施した。 ただコースコンディションが変化しているのか、大きくタイムを伸ばしたドライバーは少数派。フェルスタッペンが持ちタイムのままQ2をトップで通過し、今回が地元戦であるメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが2番手で続いた。 角田はフェルスタッペンのスリップストリーム(トウ)を得たもののタイムを更新できなかった。しかし10番手で何とか踏みとどまることができた。 ハースのオリバー・ベアマンは角田に0.013秒届かず11番手。ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ、サインツJr.とアルボンのウイリアムズ勢、ハースのエステバン・オコンがQ2敗退となった。 ■フェルスタッペンがポールポジション|Q3 ポールポジションを決める12分間のQ3。レッドブル、メルセデス、マクラーレン、フェラーリのトップ4チームが2台で揃って進出し、残る2枠をザウバーのガブリエル・ボルトレト、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが占めた。 路面温度が42度に低下する中でQ3がスタートすると、ノリスを先頭に各車がピットアウト。角田やアントネッリ、アロンソ、ボルトレトはユーズドのソフトタイヤを履いた。 ノリスはまず1分19秒433のターゲットタイムをマーク。これをライバルが上回っていき、フェルスタッペンが1分18秒923を叩き出して暫定トップに立った。ユーズドタイヤ勢の中ではボルトレトが6番手でトップだった一方、角田は9番手に甘んじた。 Q3最初の計測を終えて各車はガレージに戻り、最後のアタックへ向けてタイミングを見計らった。そして、残り3分というところで角田を先頭に各車が新品ソフトタイヤを履いてコースに戻った。 ここでノリスは1分18秒869をマークしてトップに浮上するも、引き出しを隠し持っていたフェルスタッペンは新レコードとなる1分18秒792をマークしてトップを奪い返した。このタイムを上回るドライバーは現れず、フェルスタッペンがポールポジションを獲得。2番手ノリス、3番手ピアストリというトップ3だった。フェラーリ勢は4〜5番手、メルセデス勢が6〜7番手で続いた。 隊列の先頭でタイム計測を行なった角田は自己ベストとなる1分19秒519をマークして一時8番手までポジションを改善するも、その後ボルトレト、アロンソに上回られ、10番手に下がった。 Q1やQ2で角田はフェルスタッペンから0.1〜0.3秒差で接近できていたが、Q3では0.727秒差に拡大してしまった。
滑川 寛