Z世代が「お酒を飲む時代」に突入した…アメリカの若者は、上の世代と同じくらい飲んでいることが判明(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)
世界の酒類市場を調査するIWSR(International Wine and Spirit Research)によると、過去6カ月間に酒を飲んだと答えたZ世代は74%と、3年前の66%から上昇した。これは成人全体の飲酒率76%とほぼ同水準で、この全体の数字は3年前から基本的にほぼ横ばいのままとなっている。Z世代がとりわけ関心を寄せているのがカクテルで、その消費量はどの世代よりも多く、ほかの年齢層に比べてグループで飲むことが多い。 「彼らはパーティに遅れてきただけで、パーティを欠席したわけじゃない」 IWSRのプレジデント兼マネージングディレクターを務めるマーテン・ローデワイクス(Marten Lodewijks)氏はそう指摘する。 ミレニアル世代とX世代の飲酒率はそれぞれ81%と77%で、Z世代をわずかに上回っている。その一方、ベビーブーマー世代はついにペースを落とし、加齢とともに酒量を控えるようになった。過去半年に酒を飲んだと回答したのは71%にとどまっている。 Z世代の「アルコールデビュー」が遅れた理由の一つは、彼ら自身が風変わりだからではない。普通なら酒を飲み始める年齢に差しかかったまさにそのタイミングで、極めて特殊な状況に放り込まれたからだ。大学のパーティで樽ビールを囲んだり、夏のインターンを終えてハッピーアワーに繰り出したりする代わりに、新型コロナウイルスのパンデミックによって自宅に閉じ込められてしまったのである。 「文字通り、あらゆるものが閉ざされた時期に大人になった世代だ」とローデワイクス氏は言う。 Z世代が「酒を飲まない世代」という評判を得た背景には、ほかにもさまざまな理由が入り混じっている。 まず、いつの時代の若者もそうであるように、彼らは金欠だった。限られた手持ちの金を、ビールの12缶パックや夜遊びに回すことには及び腰だったわけだ。加えて、彼らは未成年飲酒が減り続けてきた流れのなかで育った世代でもある。だからこそ、21歳(アメリカの一般的な飲酒解禁年齢)を過ぎてからの飲酒のペースも緩やかにならざるを得なかった。さらに健康への警告とSNSの存在によって、アルコールが自身の体や評判に及ぼす影響について、人一倍神経を尖らせるようになったとみられる。 酒類業界のアナリスト兼コンサルタント、デイブ・ウィリアムズ(Dave Williams)氏が語ったところによると、彼らの調査では、若者が「自制心を失うこと」や「酔った姿の動画がネットに出回ること」を極度に警戒していることがわかっている。 「アルコールをめぐっては、恐れや馴染みのなさ、不確実性がとにかく多い。それが『参入』の遅れにつながっている」とウィリアムズ氏は指摘する。 しかし、どんな不安があったにせよ、Z世代はそれを乗り越えつつあるようだ。 パンデミックはすっかりバックミラーの彼方へと消え去り、20代の多くが大学でも職場でも「普通」の経験を積めるようになった。Z世代の上の世代はキャリアを重ね、その分だけ経済的な余裕も出てきている。相変わらずスマートフォンに釘づけではあるが、リアルな対面での体験──酒がからむものも含めて──を優先しようとする者は少なくない。 だからと言って、Z世代に特有の傾向が完全に失われたわけでもない。アナリストたちは、彼らが過去に見られてきたパターンを崩している面もあると指摘する。 1つは、選択肢が格段に増えたアルコール市場に足を踏み入れていることだ。それに伴って、味の好みも変化している。初めての酒と言えば、ぬるいビールを無理やり喉に流し込んで平気な顔をしてみせる──そんな時代はとうに過ぎ去った。その代わりに、もっと口当たりのいいRTD(Ready-To-Drink=缶を開けてそのまま飲める酒)カクテルを手軽に選べるようになったのだ。 サーフサイド(Surfside)やスーパーライト(Super Lyte)など人気のRTDを手がけるステートサイド・ブランズ(Stateside Brands)のCEO兼共同創業者クレメント・パパス(Clement Pappas)氏は、自社製品が若者を惹きつけている理由の一つに、彼らが慣れ親しんだ飲み物──アイスティー、レモネード、そしてゲータレード(Gatorade)のようなスポーツドリンク──にウォッカを混ぜている点を挙げる。 「アルコールは入っているが、未知の味ではない。はるかに気楽で、とっつきやすい味わいだからこそ、この世代には大きなビジネスチャンスがあると見ている」 ミレニアル世代の私も先日、Z世代の誕生日パーティに顔を出してみたが、案の定、若者たちが選んでいたのはサーフサイドだった。 パパス氏は自社の売り上げデータだけでなく、Z世代の飲酒が増えていることを示すエピソードも耳にしている。カリフォルニア州で複数のバーを経営する友人が最近「これほど大量の偽造身分証を没収したことはない」と語ったというのだ。