オーストラリア外相、極右が求める「単一文化主義」を拒否(AFP=時事)
【AFP=時事】オーストラリアのペニー・ウォン外相は14日、急速に支持を広げている極右政党ワンネーションが主張する「単一文化主義(モノカルチャリズム)」に対抗し、「多文化主義(マルチカルチャリズム)」を擁護し、多文化主義こそが「これまでに存在してきた唯一のオーストラリアだ」と強調する。 【写真】オーストラリア、2025年純移民数は9%減の30万人 中道右派は「多過ぎる」と批判 ウォン外相はマレーシア出身で、アジア系オーストラリア人として初めて閣僚に就任した。 事前に入手した草稿によると、ウォン氏は、シドニーのローウィー研究所での演説で、オーストラリアを分断しようとする「内外の勢力」に警告し、財界やスポーツ界で難民たちが成功していると強調する。 国勢調査によると、オーストラリア国民の半数は本人または両親のどちらかが国外生まれとなっている。 ウォン外相は「多文化主義のオーストラリアこそが、これまでに存在してきた唯一のオーストラリアだ」と指摘し、「単一文化という憂鬱な幻想」の追求は、オーストラリアの国際的な安全保障や貿易関係に打撃を与えることになると主張する。 政党支持率に関する世論調査によると、ポーリン・ハンソン党首率いるワンネーションは今年、支持率を急速に伸ばしてトップに立った。2028年に予定されている次回総選挙で首相選出に大きな影響力を持つ「キングメーカー」の役割を果たすと目されている。 ドナルド・トランプ米大統領やフランスの極右政党、国民連合(RN)指導者のマリーヌ・ルペン前党首になぞらえられてきたハンソン党首は、「単一文化主義」を提唱し、国際機関との関係見直しや対外援助の削減を主張している。 同党首は今年、非白人の移民を制限していた1970年代以前の「白豪主義」政策を肯定的に捉え、激しい批判を招いた。 ウォン外相は演説で、「クリック数や票を獲得するために私たちを分断しようとする人々は、自分たちの行動が社会の結束を弱め、世界におけるわが国の立場を弱体化させていることを知るべきだ」「単一文化を求める主張は、オーストラリアの選択肢を狭め、他国とのつながりを断ち切ることを求めるものだ」と訴える予定だ。 オーストラリアの中道左派・労働党政権はワンネーションが支持を広げている背景には経済や住宅問題に対する有権者の「正当な懸念」があると認め、移民の受け入れ抑制に向けて準備を進めている。 アンソニー・アルバニージー首相は14日、自身もイタリア系の姓であることに言及し、「現代のオーストラリアは多文化主義だ」と強調。 移民の受け入れ数を削減する方針を示す一方、「人々を誹謗中傷したりコミュニティーを分断したりすることなく、国益のために団結を促す形で行う」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News